平成17年2月13日・4級基準点TS観測


朝、8時いつもの場所に集合。

 渡部氏から「本日から4級基準点の観測を開始します。原則として高さは1.40メートルとします
が、その高さでは見えない場所もありますので適宜高さを変更して観測してください。車には十
分注意して観測してください。」との注意がある。


出発・3級基準点「松法3−25」から

 最初の観測は3級基準点「松法3−25」からD4064の観測なのだが、機械高、目標高1.40メー
トルではD4064が見えない。

 この神社裏の木はご神木で切ることも、押さえることも出来ない。お互いの視通の効く高さに
調製する必要がある。

 1.40メートルで光波測距儀を覗き込んでいた野本氏「両方とも2、30センチほど上げないと見
えませんね。」下へ向かって「20センチほど高くしてください。」

 上と下で高さを上げる。ある程度の高さにしたところでもう一度、野本氏が機械を覗き込む
「見えますね。これで行きましょう」

 機械高1.65メートル。目標高1.75メートルである。

 背の高い野本氏でも両足をつま先だて、覗きこまなければならない角度。

 周りにあるのは小石だけ、仕方なくその小石を野本氏のかかとの部分に差し入れる。「あっ、
大分楽になります。」と野本氏。

 観測は無事終了だが、これから先の観測条件が思いやられる出発である。


D4060・新兵器

 観測は調子よく、1.40メートルの機械高、目標高で三脚と下盤をそのままに光波測距儀の上
盤、整準台の上盤を入れ替えどんどん進む。

 山沿いの道路に沿って観測して行くが、カーブした道路のブロック塀の前にコア抜きした
D4060からD4044を視通してみると曲がった道路のためアパート前の鉄柵とその間にある椿が
邪魔をしていて、通常の高さであれば視通が効かない。

 D4044を1.60メートルに上げて観測を始めるが、どうも鉄柵の一部が視通の邪魔をしているよ
うである。

 「これはいかんわい。」

 「もっと上げようか。」

 「いや、上げても無理じゃわい。」と言いながら渡部氏、D4044位置の整準台の反射板を取り
外し、とりつけ金具をつけて1メートルピンポールを1本接続して、3.5インチのミラーを設置し
た。

 ここからはお決まりのトランシットによる90度に別れ2方向からの確認を行ったのだが、ここで
また新兵器が登場した。

 30センチほどの三角定規に気泡管が取り付けてある。

 3.5インチのミラーの地面からの高さを正確に測るために、ミラーの高さの位置に三角定規を
水平にしてコンベックスで地面(基準点鋲)からの高さを測っている。

 2メートル以上の高さになったD4044を椿の木を抑えながら観測する。


D4043・竹の根

 D4044でも、引き続き同様にするのであろうと予測して、D4060を同様の手段で高くあげようと
していると。

 「ちょっと待って、ここは車が停まっているのでD4059が見えんから後からにするけん。」と注
意がある。そこでD4044での観測を後回しにして、ここには反射板を1.40メートルの高さにして
据付、D4043に光波測距儀は移動する。

 だが、D4043がまた手強い場所であった。

 竹林と山に登る小道の間のコンクリート水路に打ち込まれた基準点。

 基準点そのものは何も問題ないのだが、竹林の土地に問題があった。

 一本の竹が斜めに視通の邪魔をしている。

 竹を引っ張れば視通も何も問題がないと、ぐっと引っ張ってみると踏み込んだ一帯の地面が
じわりと動く気配がある。竹の根が思う以上に張っている。

 これはやばいと観測の間中休むことなく同じ力でゆっくり引っ張り続けることになり、15分間
上空の風の力を感じながら、じっと竹を引っ張り続ける。


ふたたびD4044

 お昼過ぎ、停車していた車が移動し、円満寺前のアスファルト道路上のD4059が見えるように
なったという。

 D4044とD4059とも高さをあげ視通を確保、D4060は2メートルの高さに、竹林横のD4043はピ
ンポールと3.5インチのミラーを使用、10センチの高さにして竹の影響がないようにして観測を
行なう。

 視通を確保するためD4060との間にある障害物の庭木を押さえながらの観測は無事終了し
た。


D4010・体重が邪魔をする

 大きなホテル前の道路から墓地に上がる階段の横にある4級基準点D4010、3メートルほど
小高い霊園に向けて上がる20段ほどの石畳のような階段が上下10段ずつ別れ2段階になって
いる。上側の階段から2段ほど上がった階段横の石の隙間にモルタルを補強して設置してい
る。

 墓地の並ぶ霊園の中に基準点の設置は、常識的に好ましくないので墓地の並ぶ外側の階
段部分に基準点を設置している。

 この位置から整地された墓地の並ぶ位置までは1.7メートルほど上がっている。

 視通する相手のD4009も霊園から降りた場所のU型水路の横にモルタルで補強され設置さ
れている。

 この場所も、墓地の並ぶ整地された位置からは同じように1.7メートルほど低い。

 通常の高さではD4009とD4010は視通が出来ない。

 観測を行なうD4009については1.9メートル、D4010は整準台に取り付け金具を使い2メートル
近い目標高にして観測を行なう。

 観測者の大野氏は脚立を使用しての観測となる。

 観測は2方向だが、観測方向を変えるたびに脚立から降り、脚立を移動してその上に乗って
という忙しい観測であるが、大野氏にしてみれば、さほど難しい観測では無いと思われた。

 だが、二対回観測を終了し較差のチェックをすると、制限を外れてはいないが納得出来ない
値である。即座に再測を決定して2回目の観測を行ったのだがこれも同じような数値である。

 何故だ、渡部氏が寄って来て、「んっ。おかしいの。」

 三脚の脚の一つは石畳のようなコンクリート張りの階段に踏み込んである。

 私は階段の石畳の上に座り、大野さんの観測の移動の手助けのため、機械から少し外れた
位置で脚立の移動をしていたのだが、渡部氏、私をどかせて。

 「これ、階段のコンクリートが浮いている。脚立を使わずに手すりの部分に乗って観測せんと
いかん。」

 階段部分での観測時に脚立を使用した時には、階段の浮いたコンクリートの上に私と大野
氏の体重が掛かり、コンクリート部分が沈み、反対側の観測の際には脚立と人が退きコンクリ
ート部分が元の位置の高さに戻ったため、機械の水平がわずかに変化して観測値に影響が
出たらしい。

 人体に感じるほどではなく、微量の上下動であったため直ぐには気がつかなかったようだ。

 3回目の観測は当然のように、ピタリと納得のいく観測であったことは言うまでも無い。

 通常の観測ではわからないわずかな観測のずれも基準点測量では大きく影響する。

用心。用心。


D4009・ブロックも使いよう

 今度は、目標となっていたD4009での観測であるため、D4010の光波測距儀の上盤部を外
し、目標高を取り付け金具、ピンポールを使用して2メートルにする。いつものようにトランシット
2台で求心がずれていないか確認の後、D4009に移動した。観測者の小野氏は既に準備に入
っている。

 この場所は、しっかりと固まった土の地面であるから、先程と違って移動の心配はないようだ
が、機械を高く据付なければならないことに変わりは無い。

 三脚の石突の部分には、それぞれ20センチ巾のブロックが横になっており、その上に目一杯
脚を長くして1.9メートルの機械高にしている。

 これでは先程渡部氏が言ったこととは逆なのではないか。

 「ブロックは、土の地面に密着させているから大丈夫よ。」私の考えていることが解ったらし
く、渡部氏が説明してくれる。

 本当に大丈夫なのだろうかと思いながら見ていると、小野氏、脚立を使いながら2方向の観
測を開始すると、観測のばらつきも無く観測を終了させた。

 機械本体が移動する可能性のある物に直接乗っていながら、影響を与えていない。

 渡部氏の今までの豊富な経験から得られたものとは言え、なかなかこのような発想は出来な
い。

 なんでも、D4005では、現在進行中の下水道工事との関連から、1.8メートルほどのブロック塀
を越えて機械を高くたてる必要があった。

 地面がアスファルト舗装であったために、アスファルト舗装とブロックの間に近くにあった粘土
質の泥を入れてブロックの移動がないように固定して観測を行なったそうである。

 コンクリートが浮いていた場所の観測、泥でブロックを固定してその上に機械を立てての観
測。

 正反対の矛盾する行為でありながら、いずれの観測も現実に出来ている。

 現場の経験で身についた知識は侮れない。


D4002・洗濯機の向こう

 D4004、D4003とも先日お願いした私道の土地所有者の了解がとれ、あらかじめ印をしてい
た場所に基準点鋲を設置しながらも観測は進んで行く。

 D4003では機械高を上げて生垣越しに観測を終了。

 次の観測点に移動すると、そこは先日大野氏が「実はここはアパートの横の洗濯機の上を
通してホテルの駐車場に作ったD4005を観測します。」と説明した場所。

 アパート前にある基準点D4002なのだが、機械を据付、覗きこむ。だがすでに準備されてい
るはずの反射板は、駐車場の方向を見ても全く見えない。

 ホテル横の川の擁壁との間につくった基準点に準備されている反射板は、D4002の位置の
すこし横に移動すると見えるのだが、直接この位置からでは建物の後ろになってしまう。そこは
D4005では無いようだ。

 D4005のあるホテルの駐車場は、D4002からするとかなり低い位置になり、5メートル以上低
い位置になっている。

 大野氏の言葉を思い出して洗濯機のあたりをじっくり見るのだが、アパートの建物の壁とビニ
ール板で作った1メートルほどのアパートの建物の庇、アパートの建つ石積上のブロック塀とで
囲まれ、そしてその中に洗濯機が置いてある。

 ぽっかり空いた1メートルほどの空間の向こうにはホテルの壁しか見えない。

 確かに大野氏は洗濯機越しに見えると言っていた。

 一所懸命洗濯機のあたりを見ると、人の頭らしきものがちらっと見えたような気がする。

 アパートの洗濯機を少し横に移動してみると、ブロック塀で遮られるまでの20センチほど下の
視界が出来た。

 D4002にいた小野氏が「反射板が見えた。」

 下の野本氏からも「見えます。」と小野氏の携帯に連絡が入る。

 機械高、目標高を上げながらもなんとか観測を終了。

 こんな場所でも観測が出来ることを確認して、良くぞ選点したものだと感心してしまう。
(あきれる?)。


 後日この選点について、渡部氏に尋ねると、観測の前日に大野氏と二人で選点を行い、ホテ
ルの駐車場の中で、とにかく近い位置を探すということでポールを持って探したのだという。

 つまり見える位置の一番極限の位置に選点したということらしい。


本日の成果

 本日は56点の観測であったこと。

 今週火曜の15日は、商店街で人通りの多い場所を観測しなければならないため、朝7時いつ
もの市道に集合とするとの報告の後解散。




道後基準点作業日誌
     
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