平成17年2月17日・最終日


 前日の汚名を挽回と、朝7時の集合に間に合うように早起きをしたはずなのだが、どうもぎり
ぎりの時間になりそうだ。

 高速道路を走り、松山ICで降りて市内の道路を急いで走る。

 時々、ぽつりと雨がフロントガラスに落ちてくる。

 6時58分、なんとか集合時間に間に合う。

 既に8人程度が集合している。黄色と赤の木製の三脚が10台ほど並べられ、その上には反
射板と1素子のミラーが取り付けられている。

 「昨日はごめん」と挨拶をしながら、準備にとりかかる。

 「本日は消防署の横のD4051から始めます。」

 集合場所からすれば一番外れた場所ある。

 昨日いろいろな事情で観測出来なかった場所で、荻山氏の話では、旗が邪魔していて観測
が出来なかったそうだ。

 消防署では、消防隊員が朝の掃除をしており、「おはようございます」と行きかう人に挨拶をし
てくれている。

 都会ではなかなか見られない光景に田舎者の私はほっとしながら「おはようございます」と三
脚を胸に抱きながら挨拶。

 反射板を目標高1.40メートルにして観測者の野本さんの機械に合わせて方向を定める。
D4051は4方向の観測。学生の通学時間帯になりかけており、結構学生が多く視通の障害に
入ったはずだが、観測は手早く終了した。


交通整理

 ここはD4075、十字路の中に1.5メートルほど入った位置にあるグレーチング付きのコンクリー
ト水路に4級基準点が設置されている。

 ここは十字路といっても変形の十字路、東西に車道3メートル巾で歩道付きの直線道路。南
北は3.5メートル巾の道路なのだか、この交差点からすると北側の道路が道路1本分ほど西側
にずれている。

 そのため南側から北側に進むためには交差点の中で左に曲がりながら進むことになる。

 現在7時50分、急いで観測しなければ交通量は増えていくはずだ。

 最初に到着したため、しばらく交通量を見ていたのだが、結構な交通量である。

 この場所での観測は大丈夫なのだろうか、心配しながら皆の到着を待つ。

 後の資材も到着。観測者は野本氏である。

 渡部氏も横について監視している。

 反射板も3箇所設置され、4方向の観測が開始されたが、早速車が通り、光波測距儀を移動
して車を通す。

 また光波測距儀を設置して観測を開始したのだが、再び車が通り、移動。

 かなりの交通量である、右折の車は大丈夫だが直進と左折する車の場合、光波測距儀を移
動せざるを得ない状況である。

 やむなく一つ前の交差点で迂回してもらうこととなり、大野氏、十川氏、荻山氏、私の四人が
交通整理を行うことになる。

 通勤と思われる中年のご婦人が乗った軽自動車が立て続けに、一つ前の交差点にやってく
る。

 「向こうの交差点で測量をしていますので、申し訳ありませんが迂回していただけませんか。」
とお願いすると気持ちよく迂回していただいた。

 だが、同じようにお願いした初老の男性。

 普通自動車に乗っておられたのだが運転が心もとない。

 方向転換していただいた時のバックでもあらぬ方向に曲がってしまう。

 迂回していただいく曲がり角で、危うくブロック塀に擦りそうになり、交通整理をしていた大野
氏が冷や汗をかくことになる。

 その車が無事通過したのもつかの間。

 8時25分頃、迂回をお願いしようと静止する十川さんを振り切るように、私の持っている場所
にやってくる車がある。

 ここで止めなければと手を上げて「すいません。迂回していただけませんか。」とお願いする
やいなや、そのまま車は直進。

 野本氏が観測する場所に行き、「まだ、8時30分になっていないだろ。」と罵声を浴びせ、光波
測距儀を無理やり撤去させて左折していった。

 その後、高級外車に乗った支配人風の貫禄のある方は何も言わず迂回していただいた。

 更にもう一台、スポーツカーのような外車がやってくる。若い男性が乗っており、ちょっと危な
いなと覚悟を決め、迂回するようにお願いをしたところ、「そう、このまま直進できないの。解っ
た」とあっさり迂回をしていただいた。

 ほっとしていると。

 野本氏、「観測終わりました。」と両手で丸印をつくり終了の合図。

 実際に観測に要した時間は10分足らず、だが実際には30分以上の時間がここで費やされ
た。

 後で聞くと、この道路は表側道路が混むために通勤者のための迂回道路になっているよう
だ、その証拠に観測の終了した8時30分を過ぎるとピタッと交通量が無くなる。

 なんと皮肉なことだろうか。

 交通整理がいかに大変なものか身にしみる。


マンホールの刻印

 昼食をアーケードにある料理屋さんで済ましたたので、初日に作った4級基準点が気になり、
ついでにと見に行く。

 30メートルほど歩くとアーケード街の中のカラー舗装だから目立たないようにと道路わきの小
さな水路のコンクリート部分に座をつけずにステンレス鋲だけを設置した場所、銀色に光る
D4088があった。

 「もっといいものがあるよ。」と渡部氏

 どうやらマンホール中心といっていた基準点であろうか。

 マンホールの中心であれば引照点に使用することが出来るとはあるが、基準点に使用する
にはどうなのか。

 冗談かと思っていたのだが50メートルほど歩くと本当にカラー舗装のほぼ中心に松山市のマ
ークの入ったマンホールがあった。

 「ここ。」と渡部氏が指さしたのは、マンホール蓋の外枠部分の鋳物部分。

 鋲らしきものは何もない。

 「ここよ。」ともう一度指さす先には、1センチ程度の十字が刻んである。

 十川氏「固い場所なのに、何で刻んだんですか。」

 「たがねとポンチのマイナスの印で刻んだんよ。後で赤色に着色しておくから。」

 刻印ではあるが、確かに移動することはない場所だ。


反射板がある

 集合場所に帰る際に、街区多角点のあたりを通ると、反射板が設置されている。

 撤収を忘れて、そのままになっているのであろうか。

 金属脚であることから、我々の持ち物では無いはずだ。

 「誰か、観測しているぞ。」

 7、80メートルほど離れた神社の入り口の街区多角点で我々と同じような格好をした人が光
波測距儀を覗き込んでいる。

 渡部氏近寄って、「〇〇測量の方ですか。」

 「はいっ。」

 「〇〇さんおられますか。」

 「いえっ。ここにはいないのですが。」

 「それでは、協会なんですけれど、このあたりの観測は終了しましたので、もうかち合うことは
無いとお伝えください。」

 街区基準点について情報交換をしていた測量会社の方だったようだ。


お疲れ様

 これで、現地での基準点設置作業は終了したのだが、道後地区の街区基準点の成果は3月
18日に公表されるようである。

 我々の3、4級基準点についてはその成果を使用しての計算になる。

 今年度中の事業ということから納期は3月末日ということになる。

 3級基準点のGPS解析計算・4級基準点の厳密網計算・それぞれの手簿・記簿の点検、整理
と内業はあわただしくなる。

 更に、その間を縫って決められた割合で点検観測を行ない、法務局の確認を受ける必要が
ある。


 現地解散の後、高速道路へと向かう帰り道の街角に、街区基準点と思われる場所で長脚の
上に乗っかったブレーン付きの二周波のGPS受信機が警備員とともに立っていた。




道後基準点作業日誌
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