鷹ノ子17条地図について
  松山支部  戸田 隆雄


 昭和62年度の愛媛県土地家屋調査士会が作業機関として行った事業は県内の各土地家屋
調査士の会員にとって多大な影響や転換期になったものと思われます。

 昭和63年3月末に、松山地方法務局へ成果品を納品した後の現場はどうなっているのか、あ
れからもう4年半の年日が過ぎております。

 現在の鷹ノ子は、当時から比べるとかなりの宅地化が進み、その変化に驚かされます。

 当時の17条地図の委員会の図根測量部の一員であった開係及びその後、松山市の道路維
持課、河川水路課、農業土木課等から依頼を受け、図根点の忘失の復元作業をしている一人
とLて現場での事例を通して気がついた最近の現況報告をさせていただきます。



事例@

1次線で、水路改修の為の復元で、現地での杭打ち作業をしようとした所、AB14-5からAB14−
6をチェック測距したところ約0.05mの相違があった。これはおかしいということで、AB14-4をチ
ェック測距すると0.002mで有り、測距はほとんど合っていた。

 角度をチェックすると約2分の相違があった。AB14-5とAB14-4の状態はその当時からの移
動の形跡はなかった。

 AB14−6の点をよく見てみると、民地の測溝のコンクリートが比較的新しく、その近くに新築
の民家があった。

 隣地の人の話しを聞くと、どうもその工事の時に工事人が同じ砲金を測量せずに、適当に埋
めなおしたことがあり、隣地の人もその位置が違うとのことであった。

 この事例は、結局AB14−6の復元作業した後、筆界点の復元を行った。



事例A

 1次線で復元の作業をして約1年、ある調査士さんから、その点の復元が間違っているとの連
絡を受け、慌てて現場に当時の資料を持ちチェックしてみる。

 前後の各図根点から、復元の測量をしてみると明らかに違っている.約0.08mの相違であ
る。

 砲金はこちらが用意した当時のものがある。

 『しかし、これはおかしいぞ』この場所は、松山市と打合せ、先に復元の測量をし、復元点に
ピンを打ち、逃げピンを4点いれておいたはず、おまけに、コア抜きを直径0.10mでしているの
だから、モルタルと砲金の位置がそのワクから外れるわけもなく、逃げピンもない。よく見ると、
周囲のアスファルト約3m四方の様子が他の部分と違う。

 砲金ばかりに気を取られて、周囲を見ると、道路に隣接する所に新築の建物あり、配管工事
の時にやり直していることが分かった。

 どうも、17条地図当時の地図の説明会の中で、図根点は大切なものだから、もし、忘失する
と、費用がかかるから大事にしてほしいとの説明で、モルタル、砲金をそのまま取り出し適当な
所へ埋めなおしたものと考えられた。この点は、復元点にピンを打ち逃げピンを設置してとり

あえずの復元をした。AB14−7の事です。



事例B

 2次線で、アスファルトにフジパイルを設置している所、道路の改修工事で、一路線の改修で
図根点が損失部分を指定(6ヵ所)、工事前の復元用ビンを測設、工事の計画範囲外の位置で
あったが、損失するおそれがあると判断し、復元用ピンを4ヵ所設置し復元のための測量をし
ておいた。

 工事完了後6ヵ所の復元を行い、現場を見てみると、アスファルトの舗装が新しい、フジパイ
ルはそのまま同じものが設置してある。

 糸を張って復元ビンからのチェックを行ってみると0.03mのずれがある『あっ埋めなおした
な!』フジパイルを掘り出し、根巻し復元を行う。ただし、

費用の請求はできず.AA209−1のことです。




事例C

 2次線で小学校近く、復元作業を行い、モルタルに砲金を設置。生活用道路で舗装がない
為、モルタルが乾くまで枚を上にのせておく。

 作業中、子供が近くで遊んでいたのでどうも気になり、翌日設置状態を見に行くとモルタルは
あるが砲金がない。無残にも、道路の近くにころがっていた。

 乾いたモルタルにドリルで再設置、BB202−2のことです。



事例D

 2次線で、筆界点復元のためのチェックで、バックの測距約0.025m違う、『おかしいなあ』片方
のバックを見通してみる。17条地図作成作業前の建物の壁でバックが見えない。どうしてだろ
う?

 器械点の砲金の状態をよく見てみると、消火栓のコンクリート蓋の上であり、この消火栓を
90°回転させたとしたら?原因が判明、元の位置ヘピンで復元し、作業を行った.AA206−1
のことです。



事例E

 AA219は一部団地となった為ルートの変更があります。



 以上その他いろいろな経験や、失敗をしながら、復元作業をして来ています。今までに、1次
線約14点、2次線約30点の復元をしました。この中で以下のことを感じております。

 第1に、鷹ノ子地区において、分筆、復元測量を行う場合は、最低前後の図根点のチェック
はしてほしい。

 第2に、基本的に、当時設置した測量成果は正しい。間違っても、調査士なら、17条地図作
業の測量が違っていると発言してほしくない。

何か原因があります。

 第3に、民間の図根点の復元はこちらから説明して、忘失する可能性のあるもの、既に忘失
したものは、復元していってほしい。将来の自分達の為にも。

 第4に、図根点の1次は5mm程度、2次は1cm程度の測量誤差で入ってくると思われる。

 最近感じるのは、鷹ノ子17条地図、特に図根点の維持管理は、その費用の捻出方法も今後
大事な課題であるが、その利用は調査士が一番多く利用し、自分達が愛着を持って接してい
かなけれは、その将来は無残なものとなると思われる。

 以上思いのままに述べさせてもらいましたが、鷹ノ子17条地図作業後に入会した調査士さ
ん、日常業務で、国土調査の図根点を現場で探しまわって苦労されている調査士さんの参考
になれば幸いです。



平成4年9月



第 11 章
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