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私は、土地家屋調査士の業務は、基本的には「一筆他の調査」であり、測量屋さんではない と考えています。そして、この一筆地の登記手続屋さんなのだと思います。 では、何故に測量できるのでしょう。それは一筆地の調査をするために、測量する技術が備 わっていなければならないからです。 少し大さい面積や複雑な地形上に存在する一筆地の調査のためには、トラパース測量や座 標法で調査した方がより良いからなんだと思います。 つまり、現地に筆界(境界)が目に見える形で存在し得るなら、テープー本で調査できてもお かしくないのではないかと思っています。 たとえ、筆界〈境界〉が日に見える形なら私のような地価(10万/坪)のような土地など、平板 測量で充分なはずです。 もう少し乱暴に言うなら、全点に不動標が入れてさえあれば、地図など見取図で充分なはず です。 現に、土地台帳附属地図はまがりなりにも100年の歳月に耐え、いまだに生きているではあ りませんか。もはや元気ではなくなったようですが。 その土地台帳附属地図に変わって、地籍図(国土調査図)が作成されました。 これが出来たことによって、少なくとも、土地台帳附属地域の地区より作業量が増え調査が 難しくなった。 これは矛盾してはいないでしょうか。 土地台帳附属地図よりも、現地の把握性、復元性は地籍図のほうが優れているはずです。 にもかかわらず、土地台帳附属地図の方が手続きが簡単だという意見が多いのもまた事実で す。 私は、この原因を次の様に考えています。登記上の面積と、現実面積は一致していなくては ならないという神話にとりつかれてはいないだろうかということ。測量を2回行えば数値は異なる ことが普通であるのに、自分の今現在の1回の測量成果を中心に、他の資料を見る。あるい は、見下す習性があるのではないかと思うのです。 登記の面積は成果として表示され、この数字は、何度コピーされても、移記されようと、宅地 であれば0.01の変化も許されません。 また、地積測量図も0.01も変化しません。これは「管理」ということから当然の結論です。 この「管理」と同じ様に、国家三角点の座標は天文測量をして、何度も何度も観測値をだし て、たぶんこれが「真値なんだろう」という計算をして決定したものですよね。 ですから、国土地理院に国家三角点の使用願いを提出したら、必ず、「『基準点異状報告 書』を出してね」と言われます。「観測の成果も提出して下さいね」と言われるというか、お顧い されます。 これは、観測の成果が基準点間を測量して精度内に入っているようなら、国家基準点の成 果は数字として使えるはずだということをチェックされるからです。 もし、測量の方法に誤りがなく、精度に問題が発生したら.即座にその三角点の成果は抹消 し、後日、再観測の準備をされている様です。 公共座標は、このようにしてチェックされ、これは「使えるデータですよ」あるいは「いつまでは 使えたデータですよ」という情報を欠落させたら、公共座標の様子をした任意座標でしかないと 思います。 最近、経験したことですが、ある測量会社が、既設の図根点(道路公団が設置)を既知点とし て、基準点測量をして成果が登記所に提出されています。ところが今回、この成果の根拠を求 めたところ、国土地理院の承認を得ていない成果であることがわかったので、改めて、公共作 業規定にもとづいて、国家三角点より、2級基準点測量を実地したところ、総ての点が、30セン チの誤差を持って境界点が示されていました。 これは現地に、移動していない境界点があり、これを移動することは出来ないので、登記所 に提出してある公共座標値とあるが、これは任意の公共座標値であるから、今回の測量成果 と国土地理院の所見を添付して、今回の成果で地積測量図を提出することになりました。 こう考えますと、結局のところ、私たちが、個々人から頼まれてする一筆調査のために提出 する座標値は、どんなに頑張っても任意の公共座標値でしかないのではないか。 そこで、私の事務所では、公共座標値の頭の桁を取り払って、任意の公共座標だよ、とシグ ナルを送ることにしています。(これは、ごく最近のことです) そして、不動標識のない地区の業務ですが次のように考えて業務を行っています。 下図のように最低限、目的地を挟んで2個の基準点と2個の基準点を結合するトラパースは 必ず組む。この結合精度が1/3000程度であれば、地図と現地を把握出来るので、既知点と して使用することとしている。 ![]() これは、各筆界点が誤差制限内(かなり精度は低い地図(乙1)である)なら、当事者同士の 示す境界点を筆界点と認識する。 この場合必ず現地に不動標識を埋設し、埋設完了後、確定測量をし、地積測量図を作成す る.したがって、不動標識は、一筆地の全点に入れ、部分の測量は行わない。(とかく、17条地 図のある地区の手続きの場合、残地の現地での調査測量は省略しがちです。数年前まで私も 分筆を要する部分だけを行っていた) 一筆地全部に不動標識を入れたなら、それも、事前に既知点を調査し隣接者たちの意見も 聞きながら同意を得て完了したものなら、何も確定測量にトランシットで測量しなくても良いよう なものですが、今は世間が測量している様にみてくれないからトランシットに光波を使用し、座 標法で行っているにすぎない。 (ほんとは、平板で良いのにね、ついついトランシットが便利になったということです) ですから、地図の精度が悪いといっても、土地台帳附属地図よりは使用しやすいはずだとい う意識を持つ程度で、公共座標にこだわる必要はないと思います。 これは伝え聞いたことですが、北海道のある地区で数億(?)で国土調査が行なわれ完了後 ある規模(1平方キロ)の大地が一群として地殻変動によって数m移動したということです。 この地籍図を17条に指定できるか(?) という話を聞いたとき頭が混乱しました。 でもこれは地図として充分利用できるはずだという確信に近いものを持っています。 なぜなら登記手続きにおいて、なにも公共座標でなくても任意座標でも充分だと思っていま す。「現地が安定していれば」!! 私達の仕事は、登記簿の表現するものが、現地でどこか示して、そこが不明にならないよう にすれば良い、その後永久にわかる(復元出来る)ように思っても限界があるように思っていま す。 つまり、準拠点を他人の土地に設置しても法律的にこれを保護するものがないのにくらべ、 境界点をたくさん入れること、全点(一筆地)に入れることが準拠点になるだろうと思います。 そして、この境界点は、境界毀損罪という刑事罰まで用意されているので道路の中に入れる より有効性が高いと思います。 地積測量図をシンプルに!! そのためには全点に不動標識を!! 公共座標は位置を調査するのには有効ではあるが自分の数値を公共座標値だと絶対視す ることには今し熟考を!!
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