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さて、今から疑似トラパースについて説明したいと思いますが、この言葉を耳にされた方はい ないと思います。それも当然の話で測量の教材をいろいろ読まれても出てこないはずです、何 故なら本当は行ってはいけない事だからです。 それをわざわざ取り上げるのは何故かという疑問やお叱りもあると思いますが、この方法を 取り入れることによって、図根点や三角点からの測量が身近に感じられると思いますし、もし 最悪の場合はこの方法があるからどんどん三角点を利用してトラパース測量をしてやろう、と いう気持ちが生まれてくれば幸に思います。 それでは、前項の2点間変換を利用して開放トラパース点を変換してみましょう。 まず、変換する対象となる2点は図根三角点とします、そのためには、任意の測量点を原点 (0。000,0。000)として測量を行います。 ここではその任意の原点を0−TP1として図根三角点1K5を後視として出発(Nと同一視して、 0度とする、ただし、任意の座標であるのでこの場合の1K5は放射により求めることとなる)し、 後続の点については開放トラパース測量を行い片方の三角点1L5に到着する測量とすれば、 任意の1K5(0−1K5)と1L5(0−1L5)の座標値を得ることが出来る。 ![]() ![]() 図根三角点1L5の座標値は同一の地点をあらわしている訳であるからこの2点が同一であると して2点間変換をかければその開放トラパース点である0−TPl,0−TP2,0−TP3,0−TP4に ついては、すべて公共座標に変換出来ることになる。 変換の計算書は以下のとおりである。 ![]() な角度で良いということになるので、開放トラパース測量の原点を1K5として0−TP1を0度として 視準し出発したと仮定しても良いのではないか、そうするとこのような開放トラパース測量となり ます。 ![]() これも同様に2点間変換をかけてみると、全く同様の答えとなりました ![]() 標の関係はどうなっているのでしょうか。 以下、計算書と路線図を記載します。 ![]() 発る誤差程度だと思われます。 しかし、この方法は単路線に較べてどの程度信頼できるのでしようか、もう1つ事例をあげ計 算してみます。 この方法は片方の三角点を原点として計算しています。 ![]() ![]() ![]() この単路線自体もあまり好ましい路線の組み方とは言えませんが、現場ではこのような路線 をやむを得ず組む場合も少なくありません。 そのため三角点から他の座標を持った図根点なり三角点を見る事が出来れば問題はありま せんが、このような方法をとる場合は、他の図根点や三角点は当然、見通しが出来ず、三角 点から偏心をしようにも出来ない場合です。 しかし、少しでも単路線の成果と同様の結果にしたい。 また、自己のトラパース測量の精度を大体でいいから知りたいと思うのは測量を行った者の 気持ちでしょう。 そこで、先程の開放トラパース測量で原点を片方の三角点にしている事に注目して下さい。 そして、乱暴な言い方ですが皆さんの測量技術にも自信を持って戴きます、「20秒読みや10秒 読みの器械で1対回以上観測した角度は最大誤差でも20秒しかないはずである。」と思いこん でしまいます。 そうすれば、角度の補正は1箇所でもその程度なのだと思うと案外気楽にこれから述べる方 法が出来ることになります。 ついでに、2点間変換をした時に回転角が表示されている事に注目して下さい。 これは原点を片方の変換のための点と同一にしているので、原点から最初のトラパース点を 視準した時の角度として使用出来るということです。 そうすれば最初の取り付けの角度が解りましたので、後は最後の三角点の取り付けの角度 が解れば、疑似の結合トラパース測量が計算出来ることとなります。 最後の取り付け角度はST計算を使用Lて後の三角点から最初の三角点への方向角を使 用、観測角は0度として入力します。 現在のパソコンのソフトは方向角でも計算が可能となっておりますので、それで一度計算して いただくと、とんでもない観測精度(1/3とか1/2)とともに角の誤差が表示されますので、そ の観測角度の誤差をそのまま最後の三角点からの観測角度として入力してみて下さい。 以下、2点間変換で利用した開放トラパース測量の結果を利用して計算します。 前回、三角点1K5を原点として開放トラパース測量を行った計算をそのまま使用して、2点間 変換を行ったときの回転角72°12′13″をそのままNを後視(0)にしてG−TP1を観測した角 度として入力します。 そして、三角点1L5から三角点1K5への方向角をST計算により求めます。 そうすると278°16′24″が計算出来ます、そこでこれも結合トラパース測量の1L5から1K5 への観測方向角として入力します。 この時に観測角については0度として下さい。 そうすると下記の計算書のとおりの結果となります。 ![]() とんでもない結果こなりました。しかし、ここで角度の閉合差に注目して下さい。 閉合差−97369″ですから27°2′49″です。 これは角度として不足しているわけですから27°2′49″を1L5から1K5への観測角度として 再入力して計算を行って下さい。 ![]() これで計算を終了した訳です。 正規の単路線の方法とどの程度のずれがあるのか比較してみます。 ![]() 以上のとおりです.2点間変換よりは少し良いようですね。 今度は2点間変換では正規の単路線と比較するとかなりの誤差が生じた三角点2H3と 三角点2H6を結ぶ路線で同様の計算を行ってみます。 回転角58°29′34″を入力、そしてST計算により2H6から2H3への観測方向角を計算し、 235°50′57″を2H6から2H3への方向角として入力、ただし観測角度については0°として入 力し計算を行う。 ![]() 計算による角度の閉合差95491″は26°31′31″に換算できる。 しかし、これは角度が越えているわけだから360°から差し引き計算を行う。 360°−26°31′31″=333°28′29″ が得られるのでこれを2H6から2H3への観測角として入力し、再度計算する。 ![]() 以上の結果が得られた。 ここで、正規の単路線と比較してみる。 ![]() 2点間変換よりは遥かに正規の方法に近い事が解った。 これで疑似トラパース測量についての説明を終了しますが、この方法は正規の方法ではな く、観測角度の誤差が0度という事ははとんど現実にはあり得ないことです。 誤差の調整についても距離のみで補正しているわけですのであまり良い方法とは思えませ ん。 しかしどうしても仕方のない場合ご利用下さい。 ただし、いつかこの路線についても、偏心する方法等で正規な測量方法で修正されることを 望みます。 このような方法でどんどん三角点や図根多角点を活用していけは、当然、あの場所にあの 三角点がある。といったことがすぐにわかり、「ああ、これはこの場所から見えるぞ、じゃあちょ っと角度の取り付けだけするか。」と言うように比較的三角点からの測量が身近に出来ます。
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