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山口県 渋瀬 清春 まえがき 山口地方法務局が定めた「不動産表示登記事務取扱要領」はその第8条の第4項で
ここで、前号の記載とは、「筆界上の屈曲点間の実測又は計算辺長」の記載のことである。 登記官が現地調査に訪れたとき、現地に杭などの筆界上の屈曲点を表示するものがなけれ ば、測量図の真偽が確かめられず、場合によっては「申請書に掲げたる土地の表示に関する 事項(地積)が登記官の調査の結果と符合せざるとき」として、却下される事態ともなりかねな いから、たとえ残地といえども筆界の確認作業をし、費用対効果を考えると永久境界標識を埋 設した上で、辺長を記載しなければならないことになる。 これには、17条地図の地区を除くという但し書きがない。 となれば、杭の埋設数が飛躍的に増えることになる。そこで、肉体的な疲労と苦痛が予想さ れ、以下のような会話が交わされることとなった。 「所長。測量は機械化が進んでいて良いのですが、コンクリート杭を埋めるのは何とかなりま せんか。」 ・・・ん。 「時間的に余裕があるのなら、まだ良いのですが、何時も急ぐから直ぐに杭を埋めて来いと言 われて、埋めに行くのですが、埋めている最中に身体を壊さないか心配になる時があるので す。これからの若い者なら皆逃げてしまいますよ。」 ・・・ガソリンエンジンで穴を開けるのはあるが、何か石のようなものがあると、止まってしまう。 キャタピラーが付いたのも測量の雑誌に載っていたが、それが便利だという話を大きな事務所 の人から聞いたことも無いしなー。 「1本、2本なら良いのですが、原則としてコンクリート杭を根まきしたものを境界点に入れろと いうことになると、測量をしているのではなく、コンクリート工事をしているのと同じですよ。話が 違うと言って、これからはやる者がいませんよ。」 ・・・重い、長い、根固めが永久標識の条件だと信じられているからなー。人の体重と人の腕力 を基準にした固定観念だ。今は、力の最少単位を1トンとして考えるべきだといろいろな場所で 主張してきているが、誰も何も言わない。今までのやり方が当たり前だというのだろう。だか ら、杭を埋めるための便利な機械が発明されたという話を聞いたことがない。 「GPSはいらないですから、何か機械があったら買ってくださいよ。」 ・・・重い点に関しては、中空のステンレス製の杭。根固めの点については、4方向からパイプ や丸棒を杭にねじ込み、土中に埋めこむ方式が考えられている。だが、岩や石や木の根が隠 れている地面を掘るための良い機械がある話を聞いたことがない。 「杭の数が沢山あって、業者に外注することが出来る場合には良いのですが、中途半端な数 で、しかも急ぐときはこちらでやるしかない。どこでも適当に埋めさえすれば良いものではない ので、大変ですよ。年中杭を埋めている仕事なら身体も慣れ、コツも分かって疲れないのかも 知れませんが。」 ・・・ミニユンボを検討してみよう。掘る、敷き均す、削岩できるタイプのものがあれば、買っても 良いだろう。それにしても、山の中などの足場の悪い所では軽い杭は福音ではあるが、ミニユ ンボで簡単に穴が掘れても、杭に加わる力が過去の常識より二桁以上大きくなってきているこ とに対する解決策にはならない。 「昨日今日の仕事で、またギックリ腰になりそうな気がします。」 ・・・邪魔にならないようするには、地面スレスレ。しかし、それでは明示性の点で疑問が出るし 作業量が倍になる。草狩り機の刃を飛ばさないように目立たせようとすれば、地面上に60cm 以上出ていないといけない。 動かないようにするには根固め以上に地表固めをしなければいけない。コンクリート量が倍増 する。どう考えても永久杭という考えを捨ててかかるしかギックリ腰の解決策はなさそうだ。
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