お尋ねします
(聞くには恥ずかしい内容なのですが)


指方 正広 先生

伊予のトッポい調査士

質問

 私は古い国土調査実施地域で業務を行っておりますが、そういった地域では私どもが官庁
に出向き、基準点の事を説明する場合、交渉相手の方は、大方が国土調査の経験者(企画者
ではなく、単に経験をした程度の方)です。現在の建設省公共作業規程について、深い知識は
無く、その規程がある事すら知らず、最悪は拒否反応を示す場合さえあります。こういった方を
相手にし、基準点とはどういったものなのかをわかりやすく、そしてその必要性についてどうい
った説明を行えばよいのでしょうか。何とか基準点を1地域については予算をつけてくれても、
担当者が本当に内容を理解していないために、継続した事業とならず、また管理面での問題
が出ております。

 一方公図地区の方については、日頃与点を使用しての、既存の座標と統一する測量方法に
ついては、あまり経験が無いと思われ、それらの地域の方に基準点の説明をわかりやすく行う
にはどのような説明をすれば良いでしょうか。

 また、厳密網計算について、残念ながら私自身が良く分かっておりません。計算についても
観測方程式・条件方程式があると聞いておりますが、その計算の違いについて。
 また、通常我々が使用している結合トラバース等の計算との相違について。


答え

 従来平均計算と称されていましたのは計算器が発達しない時代において何等かのより正し
い値を求める目的で、俗に申す算術平均で(平計算)に頼らざるを得なかった為に簡易平均、
即ち距離を重量にして計算を行った訳ですが、

 それはごく簡単な単路線の様なものに最らしいと考えられる、なるべく最短距離にして、あた
かもなるべく均一な距離で条件を付けた上で均等配布が考えられて参り座標値の誤差はコン
パス法則などとして現在も使われておりますが、一つの測量地域で行った場合、同一人では無
く共同作業が能率を挙げる上からも観測の上手、下手もあり、測距も雑になりという中で、同
一視して行って参りましたが

 九州の柳川市で当時九州出身の産業開発青年隊員の最終作業で川を挟んで両側に路線を
設けましたが路線長が長くなりました折、視察に来られた当時の所長(現建設大学校の校長)
の一言で中間を橋渡しするように結ぶことになり、測地部長に相算を申し付けられ、班長と九
州作業の計算簿の座取りから始め、数点の計算を行ってみたのですが、点線部分を左右路
線から付けて点検をすると以外に閉合差が大きく、唯平均計算をしたというと申すに止まり、角
と座標の均等配布では単純に解決が出来ず、苦労したのを覚えておりますが、

 その後他の班でも別の所でやはり同じ処置を行いましたがうまくいきませんでした。

 東京調布市地区に於いて初めて17条を行いました折りもやってみましたが横に取り付けた
短路線は「親亀こけたら皆こけた」になってしまい1/3000位も出ましたが、後日の点検の中
で色々な事が判明致しました。

 例えば標石の上に標台を置いたり、短い距離の傾斜補正がうまく出来ない等、それ以降昭
和50年頃より国土地理院でご質問の観測方程式を用いたものがうまく処理出来るなどからそ
の方法が取り入れられたもので、お尋ねのご返事は到底言葉で話すものが書ききれる程、簡
単には参りません。これは別途に機会を設けて、専門家に詳しく講義をお受けになる事をお勧
め致します。



質問

 鉛直角についてお尋ねします。両差が280mで5ミリとありますが、角度に直すと4秒程度に
なると思いますが、これは双方からの鉛直角の較差が最大限1センチつまり8秒程度となりま
す。
 平坦で傾斜があまり無い状態の地形の場合で300m程度の距離を実際に観測し、その観
測について確認する場合、この程度の較差、せいぜい10秒程度と考えるべきなのでしょうか。
 私の場合15、6秒程度の較差が生じております。各人の個人差もあると思われますが、どの
程度の較差が妥当なのでしょうか。


答え

 5ミリメートルはお申し越しの通り280mで (0.004/280)×ρ=295
 逆からSIN3×280mとすれば4ミリ程度になりますが、これは球差で大気差としては距離
が短いため、単純計算では加わって参りません、私たちの観測では距離が近い程、標定誤差
が大きくなりがちで、脚高より目標が低い場合かげろう等の影響の方が大きいように考えられ
通常10″程度はあるように私共も考えております。

 又、セットされた器械高の不一致も距離が近い程、大きく影響される訳で厳密網高低計算の
第1項に出てくる標準偏差の大きさは器械高の大きな差を現すための数であるかのように伺
ったこともあります。

 計算範例集P197の中ほど1″.67 この値はP236の
 M=1″.67、M(v)=13″.52
 M=単位重量の標準偏差  
 M(v)=13″.52高度角の標準偏差 許容範囲20″
 P210=13″.52



質問

 古い国土調査実施地区の場合、図根三角点の精度に問題があるとされており、厳密に言え
ば2・3級基準点の制限から外れる場合も少なくありません。我々土地家屋調査士が使用する
場合はどうしても基本三角点や基準三角点からは一人では困難であると思われます。
 実際の業務として、図根三角点を与点として基準点測量の実施をする事についての可否。
該当する級はいずれとすれば良いでしょうか。


答え

 発注先の目的によっては精度の悪い国土調査では2個三角形と称して一つの三角形からで
はなく、二つの共通辺(算術平均をして)、その辺長で新点、図根三角点の座標を決めておりま
す。
 当時の与点は右図の様に15度以上の内角を有する三角形の組めるものみんな組み、共通
辺の平均をして、新点の座標値を定めたX、Yと与点とのST計算で関係位置を定めあるため、
四等点では求められた各方向より求めたXとYとの差が20センチ以上の場合は再測をして決
めているため、その平均値で20センチ以上の誤差が出ているとは考えられません。
 従って二個三角形と比較するのもおかしな事ですが、検算を行い、5回以上の点検をして成
果が交付されるため、国土調査のように作業が終了して2〜3年倉庫の中に置き、当時の経
企庁に持参して更に数年溜っているために置かれ、いくつかの市町村の責任者の点検印があ
れば、後はどのように検査がなされているのか私共には解りませんし、又同格の隣接点の関
係照合がなされているとは思われますが、私共には解りません。
 従って安全なのは発注先のご要望にもよりますが、正確さを得るのであれば、それなりの予
算要求をして使用されるのが最もベターだと思われます。
 当時の基準点と称するのは四等三角点をさしたもので一等〜四等までを基本測量の点とし
てる訳です。
 現在では国土庁でも図根点の設置に厳密網平均を要求しておりますので、その点は安心し
て使用出来るものと思われますが、作業規程の中では何時頃からか、市町村が最も把握され
ているのではと存じます。
 昭和63年4月購入の地籍測量及び地籍測定における記録および成果の記載例集の中に
半頁だけ観測記簿の入ったものがありましたので、それ以降の国土調査では網平均が行わ
れていると考えられます。



質問

 基準点の研修から、実務に踏み出す時、どのような形態(土地家屋調査士同士の連携等)で
の、作業が望ましいでしょうか。


答え

 私の経験や仲間(国土地理院)又は(調査士)でお話を申し上げますと、仲間意識が強すぎる
ためか、どんぐりの背くらべになり勝で、例えば資本金を一人で出した場合でも分け前は等分
と思っているのがほとんどで、始める前に株又は出資に応じて分ける事を明確にしておかない
と相互に不満が残り、アメーバーのように分裂しては集合しを繰り返しいるように見えます。

 特に金銭関係のナァ−、ナァ−ははじめからきちんとしなければ成りません。
 又、器材の借用もただでよいはずが無く、その整備費、消却費は決めておくべきでしょう、あ
る程度力をつける迄は共同が望ましい訳ですが、自分で新人教育をして社員として迎え入れ
るのが良いと思います。
 現実に身近にも新人教育に力を入れ、男性は勿論、女性にも手簿、計算機の取扱い、製図
等、男性顔負けで東京のど真ん中で観測が出来る様にした結果。年商3億円の売り上げをあ
げた例もあります。



質問

 1筆地においての50m未満の測量において、厳密には補正が要求されるとは思われます
が、実務において補正の値は生じないとして、補正を省く事についての可否。


答え

 補正問題は総て証拠主義で、たとえ直感的に0であっても計算結果が0である証拠が必要で
す。



質問

 ちょっと俗っぽい質問なのですが、1個人が基準点測量を既に実施し、その成果がある場
合、後続の基準点を必要とする方との協力関係はどうあるべきでしょうか。、後発の方が協力
して路線を組んでくれる実績のある方なら、その基準点の成果を提供しても良いように思われ
ますが……。


答え

 通常、成果は官で承認して初めて交付されるものですが、計算の結果をもらって便宜的に使
用するのであれば、その値に自分でも責任を負わなくてはなりません。従ってご自分で計算結
果の出るまでを求めて使用すべきで、もらったからの言い訳は出来ません。



質問

 地図上で地形を読み取るためには、どのような点に留意すれば良いでしょうか。


答え

 地図には樹木の高さ迄は書いてありませんが、一般には空中写真の実体視をして、視通線
が木の中に隠れれば見えない事を意味し、双眼鏡で凡その樹高を目測して置かないと測量よ
り、伐採に来た様な事になります。
 測量協会に直接T/25000又は、1/50000の地形図にも自分の欲しい地域密着焼き
20センチ角が送られてきます。
 縮尺は概ね1万、1万2千、2万等に別れていますので、地図の上で縮尺相当の角を書き、
1万分の1ならと実体視出来るように発注する事です。



質問

 水平角の観測について、倍角差、観測差について制限の半分以下にする事を目標に観測し
ております。使用器械により左右されるとは思いますが最終的にはどの程度を目標にすれば
よいでしょうか。


答え

 水平角も雨上がり直後、埃が無いので良く見える事から三名が各々測定し、三名とも後日良
い天気の折りに測定したら45秒程平均で前回との差がありました。
 10月に実施した研修の折りにも40秒程の差があり、必ずしも倍角観測差が悪いとばかり申
せない事も時折経験させられていますが、私は直接その様なことはいまだ知りません。
 心掛けの第一は強いて接眼鏡に目を近づけない。出来ればボールペン1本の幅位間をとる
事が望ましい。それはレンズの瞳の部分を通して目標を見るため。



質問

 後に続く基準点の精度の目安としたいので、基準点測量の与点となる基本三角点、基準三
角点の位置誤差について。


答え

 1等1センチ以内、2等5センチ以内、3等10センチ以内、4等20センチ以内となっているが
一番悪い時の値で実際には半分以下と思えます。過去使用した自分なりの信用度は4等7セ
ンチ以下、3等3〜4センチ、2等2センチ位



質問

 縮尺係数について、1/10000となるように、130キロの範囲で定められておりますが、地
球半径6370キロにして逆算し、0キロを0.9999として計算てみますと、
1.0001は127キロ、1.0000は90.1キロといった端数になりますが、再度このあたりを
教えて下さい。
 また縮尺係数の値を算出する式の根拠の概略を教えて頂くと有り難いのですが。


答え

 地球の半径からの割合ですから逆算してみても殆ど意味はありませんし、手元にお知らせす
る様な資料はございません。



聞くは一時の恥
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