高岡町基準点設置作業 12 ( 図根多角点間距離チェック ) 平成20年11月15日、午前7時調査士会館駐車場集合。 本日は午前中GPSの点検測量、午後はTSで図根多角点間の距離のチェックを行う予定である。 本日は松山支部の基準点測量研修が午前9時から開催されるので、午前9時の研修に間に 合うようにGPS受信機を設置し、電源を投入しなければならない。 その後、松山支部の研修に参加しない者がGPS観測中の見張りを行い、GPS観測を終了させる。 午後研修終了後に、再び全員でTSによる図根多角点間の距離のチェックを行うこととされた。 GPS点検測量 法3−28、法3−27、街区三角点1004A 、街区多角点30C54、図根多角点T4208を使用して GPS点検測量が開始された。 いずれも1mポールを1本継いでの観測である。 各観測点も2人一組で、持参したTSを使用して2方向からポールの垂直を確認しながら、整準 ねじで調整しての据付である。 松山支部の研修があるため、参加者は午前8時30分には会館に向かわなければならない。 残された3人が5つの観測点の監視をしなければならない。 いつも、GPS観測の際には眠ってばかりいる老眼おっさんだが、今回は街区多角点30C54 図根多角点T4208の2箇所の監視をすることになった。 200mほどの近い距離なのだが、カーブがあるため2つを同時に監視することは出来ない。 2時間の間、歩いて2つの場所を行ったり来たりする忙しい監視となった。 図根多角点T4208では 図根多角点T4208では、白い野良犬が出現する。 TSの観測中でも、このあたりで近所の犬がいきなり吼え、犬の喧嘩が始まっていた。 どうやら、その原因となっている犬のようだ。 じっとこちらの様子を伺っている。 首輪のない白い犬はおとなしく、吼える様子も無いが飼い犬のように尻尾を振るわけでもない。 野良犬にコードをかじられたり、三脚を倒されたりしては大変と、受信機のそばに近寄り、犬を 睨み付ける。 白い犬は目の前で座り込み、私を無視するように後足で頭をぽりぽりと掻き始め、しばらくする と厭きたように去っていった。 家庭内の立場を犬に見透かされ、馬鹿にされてしまったのだろうか。 ![]() 野良犬が出現するT4208 街区多角点30C54 街区多角点30C54は煙草屋さんの横に流れる川(水路)の橋のコンクリート製の橋脚に設置 されている。 ここも1本ポールを継いでの観測である。 観測開始から40分ほど経過。 たばこ屋さんの反対側が駐車場になっており、交通量の多い場所である。 図根多角点T4208と行き来している間に移動していないかと心配になり、求心望遠鏡を覗きこむ。 黒い点と街区多角点の十字が別の場所にある。 「あっ、求点がだいぶズレている。修復しなくては。」 またポカをやってしまったか、時々、求心を忘れて観測したりする老眼おっさん。 大事な時にまた、やってしまったか。 迷惑おっさんのムチの音が聞こえるようだ。 慌てて整準ねじに手をやろうとした瞬間。 「待てよ。」 どこかで冷静な自分が居た。 「そうだ、ここはポールを1本継ぎ、TSで2方向から調整したのだ。整準台の求心をした後 整準ねじで調整しているから狂っているのは当り前だ」。先ほど、犬に馬鹿にされたせいか 冷静な自分が居た。 ここは、何も無かった、事にしておこう。 距離チェック 松山支部研修に参加していた皆が昼食のお弁当を買って帰ってきた。 全員で昼食を済ませた後、観測距離のチェックを行なう。 基準点測量では、距離は片方向からの距離を使用するのだが、今回の図根多角点の観測 は、距離については観測の出来る状態であれば全て観測している。 厳密な精度を追求し、ピンポールとミニプリズムを使い、高さを10p以上あげないようにして 止むを得ない場合にはターゲットを使用している。 チェック用に迷惑おっさんが作成した観測図を見ると、図根多角点の点間が蛍光ペンで塗ら れている。 「この図の中で色をつけた場所が、図根多角点間の水平距離がTSの観測位置が入れ替わった ことによる違いの差があったところなんよ。黄色が距離の較差が2o、緑色が3o、青色が4o あった場所よ。 今日はどちらの方の観測距離が正しいのか、どちらを使用すべきなのかチェックする予定 なんよ。」 何と、細かい。 最初から片方向の距離の観測であれば、ここまでのチェックは必要ない。こんな面倒くさい ことを自身に義務づけしてしまう。 片方向からのみでは無く、両方向の距離を確認することは自分の業務の小さな範囲の少ない 基準点数であれば、当然行っている。 このような大きな現場で400を越える観測の2倍の数をチェックするのだから、もう、・・・・だ。 さぞかし名のある 15時を過ぎようとしている。 アスファルト舗装をはつり、道路の金属性の汚水枡にセメントでくっつけた図根多角点に ミニプリズムを設置していたが、観測終了後、片付けようとしゃがみこんだ時だった。 杖を突き、散歩をしていた白髪頭の品の良い小柄な75、6歳のおじいさんが 「これは一筆地の丈量のための観測をしているのですか。」 「いえ、その一つ手前の作業なんです。」 「ああっ、基準点ですか。これが最近の測量器械ですか。距離も測れると聞いていますが どのような原理になっているのですか。」 「はい、これは向こうの器械から光を出して、これが鏡の役割をして、光が器械に戻るまでの 波長の数を計算して距離を出しているんです。」等々、いつものように素人相手と適当に説明 していると。 「最近の器械はすごいですね。昔の測量士の資格を持っていても、もう出来ないでしょうね。」 「いえ、昔の方の方が、知識も技術もあるので大丈夫です。ボタンを押すだけですから。」 「そうですか。」 ニコニコしながら、老人は去っていった。 あのお年で、さっと基準点という言葉が出る。 さぞかし名のあるお方なのでは・・。 しまった、T永と名乗るのを忘れていた。 最後の観測場所で 16時を過ぎた頃、離れていた2班も隣接して距離の観測を終了。 K石さんがピンホールとプリズムを片付けようとしていると、 「そのままにしといて。」 迷惑おっさんの声が飛ぶ。 「TS もそのままにしといて。測量屋さん、そこで距離を観測してみて。」 観測を終了したN本さんのTSの下盤と三脚をそのままにして、測量屋さんのTSに据え替える。 観測すると、先程のN本さんのTSと同様の数値。 「これを、作業の始まる前と後にやっておかなければならないのよ。同じ距離でよかった。」 迷惑おっさん、胸をなでおろす。 「少し、早いけれど本日の観測を終了します。」 16時30分本日の観測は終了した。 |