高岡町基準点設置 8

          ( 図根多角点観測真っ盛り )



木製三脚が危ない

   朝方、調査士会館に集合した時、迷惑おっさんがいきなり木製三脚の石突部分を工具で

  外し始めた。

   今まで、石突部分を外すことなど考えても見なかったのだが、何を考えているのだろうか。

   木脚の先端の隠れた部分に砂がたくさん入っている。

   「やっぱり、水が入り込んでいるんだなぁ。」

   空飛ぶ調査士、M好さん、「雨の日に木製三脚を使った後、上下反対にしたら石突のところ

  から水がジャーと出てくるのよ。」


   「雨の日に使用したら、反対にして乾かさんといかんのよ。」と迷惑おっさん。

   先日のN本さん疑惑の三脚には、石突部分の木の部分に水が染み込んで腐ってしまっていた

  らしい。


   メーカーによっては石突部分に水が逃げるように切り込みが入っているものや、先端部分が

  外れるものもあるようである。


        

                           石  突


   疑惑の三脚はGPS観測等で雨の日に使用することが多く、外見は乾燥したように思えても

  湿気や塵が石突部分に入り込み、木の脚の部分が腐ってしまった様である。


   本日使用予定の木脚について、すべての石突部分が確認された。


T4107は大通り

   高岡団地を囲むように大通りと、その西側にコの字のように走る3 m幅の道路がある。

   この二つの距離は一番短い場所で20mほどなのだが、車でそこを移動するとなると300mほど

  ぐるりと迂回しなければならなくなる。


   車の通行出来る道路はそれぞれの土地開発により設置されたもので、地区全体を考慮して

  のものではなかったようだ。


   その最短距離の場所を結ぶように幅1mの里道、60cmほどの水路がある。そしてその里道の

  高岡団地からの入り口に図根多角点T4107がある。


   里道と水路は昔からあったもので歩行者は勿論、ママチャリやら、小学生、中高生が自転車で

  頻繁に通行している。

   基準点の選点時は土曜日だったので、全くこの状況がわからなかった。

   犬の散歩で通行する方は結構あったのだが、散歩だから我々に気付き遠回りをしてくれていた

  のだろう。

   通常の観測では、15分程度の観測なのだが、頻繁な自転車の通行にピンポールと三脚が邪魔

  になる。


  その都度、移動する事になり観測が進まない。

  たまらず「5分ほどで終了しますので、ちょっと待っていてもらえませんか」とお断りをすることに

  なる。


      

      こんな狭い里道なのに、通行量は幹線道路並    コンクリート水路蓋に設置


T4104がおかしい

   T4073からT4056、T4072、T4104への3方向観測を行う。

   T4073 とT4104の視通にはブロック塀があり、T4104には1m40程度の高さでターゲットを据え

  付けた。


   T4104は道路の中のコンクリート枡に打ち込んだ金属鋲である。

   コンクリート枡は古く、ヒビが入っている状態。

   ターゲットは金属三脚で、老眼おっさんが据え付けた。

   観測をする時には、木脚で据え直すだろうと安直に考え、移動の無いようにと三脚の1つを

  コンクリートのヒビを利用して据え付けていた。


         

                何やらおかしいコンクリート枡とT4104


   T4073の観測後、T4104に移動。

   「木脚に入れ替えて。」

   「いや、このままやりましょうわい。」測量屋さんは金属脚をそのまま利用し、コンクリート枡の

  ヒビの部分を避け、きっちりと三脚を据え直した。

   T4073には、先ほど観測した木脚をそのまま利用し、ターゲットだけを入れ替える。

   ここでも、4方向の観測である。

   観測は開始され、順調に観測は終了したように思われたのだが、観測結果は15秒ほどの

  観測差があった。


   「すいません。再測量」

   申し訳なさそうに、測量屋さんが手を上げる。

   測量屋さんの厳格な自己規制による再測である。

   皆が「はい。」と軽く手を上げる。

   誰も、この後のことは予想していなかった。

   再測が始まり、いつもの観測時間が経過し、測量屋さんがS松さんの方を覗きこむ。


    「あれっ、悪くなったおかしいな。すいません。もう一度お願いします。」


    測量屋さん、ちょっと疲れたのかなと心配しながら「はい。」


    「木脚に変えてみます。」

    金属脚から、木脚に変え、体重を十分のせ据付けられた。

    だが、観測が終わると「あれ、悪いな。」と首をかしげている。


    そこへ迷惑おっさんがやってきた。

    「どうしたん。」

    「いや、観測が駄目なんです。」

    「じゃぁ、ちょっとやらしてくれる。」

   今度は、迷惑おっさんの観測である。

   観測に先立ち、まずはチェック。

   三脚の据付状態やミニプリズムの方向等を確認して観測する。

   いつもどおりの慎重な観測である。

   全員が期待しながら見守るなか観測が終了する。

   S松さん、「観測差20秒あります。」


   「えっ、おかしいな。」

   もう一度、観測する。

   「さっきより、悪くなりました。」


   「もう一度。」

   だが、再び20秒台だった。


   「おかしいな。」

   コンクリート枡をじっと眺めている。

   そのうち、皆寄ってきてコンクリート枡を調べ始める。

   ヒビの入った辺りを指先で軽く叩くと、


   「あれ、振動している。」

   「これは地盤というか、コンクリート枡自体が不安定になっているぜ。」

   「それで時間とともに、圧力がかかってグラグラしだすんだろうか。とりあえず、ここはもう

    一度、日を改めて測量しよう。」


    頭を冷やし、別の日に再測を行うことになった。



弁 当

   朝8時集合、8時30分の観測開始から正午まで休みなく観測が続けられる。

   「たこ部屋」での楽しみは、食べる事だけである。

   いい大人が、腹をすかせて餌が来るのを待っている。

   近くのスーパーまで、弁当の買出しに走る。

   食べるのが楽しみだけに、大盛りでなければならない。

   お弁当のご飯は、炊飯器から温かいご飯を好きなように詰める事が出来る。


   ここぞとばっかり迷惑おっさんと老眼おっさん、ご飯を山盛り詰め込み始め、後ろに並び

  始めたお昼休みの弁当購入者に気が付かぬふりをして9個分ぎっしり詰め込んだ。


   おかげで炊飯器の中のご飯は、ほとんど無くなっている。

   まさに営業妨害である。

   「明日から、スーパーに出入り禁止の張り紙されるぞ。」

   逃げるように昼食場所の公園へ。

   次回からはK石さんの担当となったが、K石さんも弁当の誘惑には勝てなかった。


   後ろで行列をつくる弁当購入者の視線を屁ともせず、ご飯の大盛り、お漬物、ふりかけ

  梅干のすべてを追加して「たこ部屋」参加者のすざまじい食欲を満たしてくれた。


   スーパー様、11月で終了しますので勘弁して下さい。

   K石さんが悪いのです。


取り付け

   街区多角点や街区三角点からの観測では方向角の取り付けの為、200m以上離れた街区

  多角点や街区三角点を観測することになる。


   測量屋さん「遠くの観測になると、ほっとします。」

   近距離の制限の厳しい観測、1秒・2秒差での再測量も続き、かなりの重圧となっているよう

  である。

   しかし、通常の図根多角点への観測に、方向角の取り付けの為の観測が加わり観測方向は

  多くなる。


   3方向は当たり前、4方向や5方向の観測でも、測量屋さん、N本さん、ピタリ10秒までの制限に

  入れてくる。


懐中電灯で

   午後5時を過ぎ、観測は団地内のT4216にやってきた。

   先ほどの観測で、自転車で保育園児を迎えにやってきた見覚えのある奥さん達が子供たちと

  路上で遊んでいる。


   8軒ほどの新築の家が立ち並ぶ団地で、同じような年頃の小学生達も遊んでいる。

   何か遊園地のような雰囲気の団地内の道路。

   むさくるしいおっさん達がやってきても、子供たちが3、4人集団で

   「何、やってるの」と声を掛けてくる。

   「うん、これはね地図作るために測量をしているんだよ。」

   「角度と距離を測るの。」

   「そうだよ。良く知ってるね。」

   「うん。学校で習った。」


   後ろでしっかり、お母さんが聞いている。

   十数人の子供たちと大人に囲まれながらの観測となった。

   しかし、5時を過ぎるとどんどん暗くなる。


   ここでの観測はT4183と T4215の2方向である。

   この団地は新しい団地で、昔の地盤から2m近くかさ上げして造成されている。


   相手方のT4183は農地に隣接する里道の中に設置してある。

   視通するためにはターゲットでも高さの不足する場所で、ターゲットにピンポールを継ぎ

  2m50の高さにしてある。


   当然2方向からTSでまっすぐ設置されている。

   観測はN本さんである。

   迷惑おっさんから「懐中電灯でミニプリズムを照らして。」

   2人かがりで照らすが、ミニプリズムまで距離がある。

   やむを得ず、住宅の方にお願いして、住宅のブロック塀によじ登り、懐中電灯で照らす。


   6時を過ぎようとしている。

   「もっと、下の方を照らして。」

   「プリズムの横を照らしてください。」


   N本さん、状況が悪く、観測がうまくいかないようだ。

   いつもの倍ほどの時間がかかっている。


    観測終了。


   「倍角差15秒、もう一度。」納得していない。

   迷惑おっさん「大丈夫よ。もう止めようワイ。」

   これまで10秒までの観測制限で頑張っていたN本さんには、残念な結果だが、25m程度の

  近距離の観測とあり通常でも起こりえる結果である。



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