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法17条地域(未指定地域も含む)の地図訂正や筆界未定地の解消についても、公図地域 の地図訂正と考え方は同じであると思われるので、公図地域での地図訂正及び境界確認の 実例をあげてみます。 公図とは、旧土地台帳法施行細則第2条(登記所には土地台帳のほか地図を備える)により 備えられた地図の総称であり、現在登記所に公開されている地図(公図)は次の通りである。 1.地押調査図(更正図、分限図、改祖図) 2.自創法に基く確定図 3.耕地整理法に基く確定図 4.農地法による土地所在図 5.土地改良法による土地所在図 6.その他、区画整理法、新都市開発法による土地所在図など これら地図の訂正は、その作製目的、作製方法、作製技術、沿革などを調査して、出来うる かぎり立証資料の収集に努めなければなりません。 (沿革については、たくさんの文献が出ているので、そちらの方で勉強してみて下さい) 資料の収集には、どうしても旧土地台帳の閲覧は欠かせません。 土地台帳には明治22年に土地台帳規則が制定されて以来、昭和35年廃止に至るまでの 土地の沿革が記載されております、この閲覧が出来なければ、十分な資料の収集は不可能と 言っても過言ではありません。 地図訂正、境界確認の事例には次のものをあげております。 [1]空白地に関する訂正 1.地番の記載のないもの 2.地番の記載がないもので土地台帳などに内歩、外歩の表示があるもの 3.内歩、外歩が国有地と思われる表示がなされているもの 4.分筆地番が(イ)(ロ)で表示されているもの [2]筆界点の訂正に関するもの 1.筆界線の誤りを野取図により訂正したもの 2.筆界線の誤りを古老の証言、野取図、面積案文により訂正したもの 3.古文書により筆界線を訂正したもの [3]自創法に関する申告書、確定図により訂正したもの 1.誤って表示された位置を自創法による大蔵・農林省令2号第2条の分筆地形図により 訂正したもの。 2.重複して表示されている地番を大蔵・農林省令2号第2条の分筆地形図で訂正したも の。 3.農道の幅員および筆界線の確認を大蔵・農林省令2号第5条の確定図により行った もの。 4.大蔵・農林省令2号第5条の土地所在図により広域地の境界確認を行ったもの。 [4]耕地整理法に基く確定図及び登記申請書により、境界確認と畦畔の所属(民有か 国有か)が判明したもの。 [5]農地法に基く法務省令64号第3条による確定図により、境界線を確認したもの。 [6]土地改良法による確定図により境界線を確認したもの。 [7]俗称「テレコ」となっている地番を実測量することにより訂正したもの。
事例[1]-1
この事例は、1625番の左側に水路を挟んで空白地があります。
野取図の地形と畝順帳の面積及び実測面積により、1625番地であることが判明した。
(地租改正条例細目第3章 地番号ノ事 第2条 3条を参照)
また、このような土地は、めがねの印をもって同一地番であることを表示する取扱いであ
った。
![]() ![]() ![]() ![]() 事例[1]-2
これは1631番の外側が空白地となっているが、内歩(堤敷)であることが野取図、畝順帳
によって読み取れる。
堤敷、内畦畔、外畦畔、墓地など一筆地に含まれる別地目の土地は、内書、外書として
表示されていたが、土地台帳一元化作業の際に、原則として廃止されたため、現在の登記
簿には表示されていないものが多い。
(地租条例取扱心得書第6条 一元化取扱要領参照)
![]() ![]() ![]() ![]() 事例[1]-3
これは2018番の北側に地図の上では農道、水路が存在する表示となっているが、野取図
畝順帳、肩書訂正帳により、内歩(内溝)であることが判明した。
公図の上では、申請地の(2018-15)北側に、農道と水路が存在するような表示になって
おりますが、存在するのは農道のみで、水路は存在しません。
2018番及び道路北側の2023番、2004番の旧野取図、畝順帳、肩書訂正帳(いずれも別紙
添付)を調査したところ、いずれにしても水路の表示は無く、北側2023番、2004番の野取図
畝順帳に内溝又は内銅毒溝の表示があり、特に、2004番の野取図の南側には、巾3合の
内溝の表示が顕著にみられます。
よって、公図の水路らしき表示は明らかに2004番、2023番の敷地内の内溝または、内銅
毒溝であり、国有地ではないことが伺えます。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 事例[1]-4
地図に(イ)(ロ)の表示のあるものは、分割されたものである。
(地租改正条例細目 第1章 出張官心得之事 第4条参照)
その後、明治35年 分筆ノ場合地番号取扱ノ件 が出され、現在のように668-1
668-2の取扱いとなった。
しかし、国有ノ地番ヲ失ウニヨリ往々不便ガ有ル、とのことで668 668-1 668-2のように
取り扱うことも許された。
![]() ![]() 事例[2]-1
2079番と2084番の境界線が、地図では直線となっているが、現況がカギ形となっている
ので、野取図を調査したところ、地図に誤りがあることが判明した。
![]() ![]() 事例[2]-2
この事例は3971-1と3971-2の境界線が地図と相違するので、野取図を接合するとともに
内歩(木生地)を南北に2分した。との古老の証言により、面積案分をして、地図の誤りを
証明した。
![]() ![]() ![]() 地図の筆界線が誤っている理由 申し出の土地は昭和25年まで、地番及び公簿面積は次のとおり 3971 776u 3972 171u 3973 1742u 計 2689u の土地であったものを、自創法による売り渡しのため昭和25年7月25日に、3筆を合筆し、 同日次のように分筆された。 3971−1 1563u 3971−2 796u 3971−3 330u 計 2689u しかし、3971−1と3971−2の分割線が地図と現況が相違するため調査したところ、旧野取 囲(3973)の南側に存する内歩(木生地)を南北買受人に2分して引き渡した、との古老の証言 を得たので、旧野取図の耕地と木生地の面積を点検してみた。 3973の耕地部分の面積 23間 ×(2.2+6) = 188.6間 19 ×(9 +1.9)= 207.1 20 ×(9.8+4.9)= 294.0 17.4 ×(2.7十3.1)= 100.92 9 × 4.55 = 40.95 計 831.57歩 2除 415.785歩 1374.49u これは3971−1の登記面積より少ない 木生地部分の面積 1742u−1374.49が=367.51u 367.51/2除 =183.75u 耕地面積 1374.49u+183.75u=1558.24u この面積は北側3971−1の登記面積とほぼ一致し、現況面積とも一致する。 よって地図の訂正が受理された。 事例[2]-3
古文書(公有水面埋立協定書)により地図訂正したもの。
149番2の土地
![]() ![]() 事例[3] 筆、計3860万筆に及んだと言われている。(登記研究365号) この膨大な筆数を簡易迅速に完遂するために、自作農創設特別措置登記令、土地台帳に 関する政令・省令などの特別法によって、事務処理がなされている。 表示に関する分・合筆・新規登録地成などは、特別法「大蔵・農林省令2号」により、数多く の申告手続がなされている。 また、未墾地農地と言って、農地以外の土地で、開墾して農地にすることが出来る土地を、 政府が強制的に買収し、開墾し、または開墾しないままで売り渡した。 これらの土地は買収後、登記簿を閉鎖して、新たに生じた土地として、土地台帳に登録さ れた。 この台帳手続きは迅速を要したためか、地図の取り扱いが適正に処理されていないものも 多く、誤って分割線を記入したり、閉鎖前の地番が記入されていたり、公図上で(机上分筆) 分筆して現地は自由に開墾させたため、地図と占有位置が大きく相違するものもある。 これらを訂正するには、市町村の農業委員会に保管されている手続資料を収集する必要 がある。 事例[3]-1
131-14が、現在位置と地図の位置が相違するので調査したところ、自創法(大蔵・農林省
令2号2条)による分筆がなされており、その際地図に誤って分筆線が記入されたことが判
明した。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 事例[3]-2
地図に、2613-2が重複して記載されているので調査したところ、自創法(大蔵・農林省令
2号2条)による分筆がなされており、地図のマイラー化のさいに誤記されたものと思われ
る。
![]() ![]() 事例[3]-3
これは、地図訂正ではないが、農道及び筆界線の確認ができないので調査したところ
自創法(大蔵・農林省令2号5条)による登録地成がなされており、その際の確定図によって
農道の幅員及び筆界線の確認が可能となった。
![]() ![]() 事例[3]-4
これは、字限図の部分が隣接字の区域とともに広域にわたって未墾地買収され、登記簿
を閉鎖し、新たに登録地成がなされている。(812番の土地)
この区域は新たに登録の際、隣接する字の区域に組み入れられた。
しかし、地図は閉鎖されないままで残っており、混乱をまねいている。
![]() ![]() 事例[4]
これは、耕地整理法に(昭和24年8月4日廃止)基く確定図で、境界線の確認はもとより
畦畔の所属(民有、国有)が判明する。
一筆に所属する畦畔は、内畦畔、外畦畔として登記されている。
![]() ![]() 事例[5]
これは、農地法に基く確定図で、自作農創設特別措置法が昭和27年10月に廃止される
に伴い、同日施行された農地法に、その手続きが引き継がれ、国が所有する土地につき
土地台帳手続の特例が設けられた。
(農地法第77条)
(農地法に基く土地台帳の特例に関する省令 法務省令64号)
![]() ![]() 事例[6]
これは、土地改良法に基く確定図で、精度が高く境界線の確認に大いに役立つ
しかし、図根点は存在しない。
![]() ![]() 事例[7] 195−3の所有者より実測の依頼 1.195−3と195−5の位置が逆である 隣接地の所有状況は合致 分筆過程はM43年 195−1、−2、−3に分筆 TlO年 195−3、−4、−5に分筆 登記簿も195は−1、−2、−3、−4、−5 分筆古く資料なし。 法務局旧図 市固定資産税課図面 市農業委員会図面も法務局附図と同じ。 2.195−3の所有者より実測の依頼であったので 195−3(附図では195−5の位置)を実測。 登記簿に近い面積となった為(実測以前は所有権移転の誤りかとも思われたが) 195−3の所有者と共に195−5の所有者に会い、195−5の測量をお願いし実測する。 結果は次のとおりであった。 195−3 登記簿 42u97 実測 40u85 195−5 登記簿 69u42 実測 70u27 3.195−3、195−5の実測図を添付し附図の位置訂正をする。 単純な附図への記入ミス(左から−3、−4、−5と記入すべきを、右から−3、−4、−5と 記入)であった様にも思われる。 ![]()
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