登記と尺貫法

愛媛県土地家屋調査士会
三宅 雄二



尺貫法(しゃくかんほう)・・・長さに尺、質量に貫を使った日本固有の単位系

  明治24(1891)年度量衡法の制定(3月24日公布)にあたり、メートル法に対応してできた。
  計量法(昭和26年6月7日公布)によって、昭和41(1966)年4月1日以後は、取引及び公的、
  あるいは業務上の証明行為には使用できない。

度量衡(どりょうこう)・・・長さ、面積、重さの計量に係わることを定めた制度または慣習

  明治 8(1875)年制定 最初の法令「度量衡取締条例」・・・基準としての尺度を折衷尺とし
  た。
  明治24(1891)年制定 「度量衡法」・・・メートル原器、キログラム原器を得て制定された。
  大正10(1921)年制定 「改正度量衡法」・・・メートル法による統一
  昭和26(1951)年制定 「計量法」・・・度量衡法を改正し改名された。   

メートル法・・・度量衡の国際的統一のため18世紀末フランスで創設された単位制度

 メートル法のはじまり・・・1メートルは赤道から北極点までの長さの1,000万分の1  (1メートル
 のルーツは子午線の長さ)
  「メートル原器」の作成(3回生まれ変わった)
 光学式のメートル基準が出現
  現在の1メートルは光が真空中で 1/2億9979万2458秒間 に進む距離となった。 



◆計量の歴史

年代
元号年
計量関係事項
補足
関連事項
701
大宝元年
唐の度量衡制度を手本とした大宝律令の制定
(わが国初の度量衡制度の確立)
 
1594
文禄3年
豊臣秀吉による米納貢租制度確立のため太閤検地 検地尺、検地枡、土地面積の
単位(段、歩)等の整備
 
1872
明治5年
    地所永代売買解禁2.15太政官
布告第50号
壬申地券の発行
村単位の地租から個人単位に
変更
 売買のため、土地の分筆が
必要に。
1873
明治6年
  地租改正条例7.28太政官布告第272号
1874
明治7年
  地所名称区別改定布告11.7太政官布告第120号
 官民有地の区別
1875
明治8年
メートル条約成立5.20(子午線の4000万分の1を
1メートルとした)提案国フランス
度量衡取締条例(8月5日太政官達第135号)
折衷尺を基準
尺貫法が確立
用途・地域によってかなり差異が
あった基準が統一
1メートルが3.3尺と決められる
地租改正事務局設置3.24太政官達第38号
地所処分仮規則5.30地租改正事務局議定
地租改正条例細目制定5.30地租改正事務局議定
土地丈量6尺1歩竿に統一の旨達6.12地租改正事務局別報第3号達
1876
明治9年
    地券台帳雛形3.13地租改正事務局別報第16号達
 地券台帳=土地台帳の前身
1880
明治13年
    地所売買譲渡規則公布11.30太政官布告第52号
 土地の所有権公証は郡役所、建物は戸長役場の不便を解消し、
 戸長役場に一元化
1884
明治17年
    地租条例3.15太政官布告第7号(地租改正条例廃止)
地租に関する諸帳簿様式12.16大蔵省達第89号
 府県庁=地租台帳、反別地価台帳、地図、野取絵図
 郡役所=地券台帳、地租台帳
 町村戸長役場=土地台帳、土地所有者名寄帳、反別地価台帳、
地図、野取絵図
1885
明治18年
メートル条約加盟   全国地押調査事業実施 明治18年から21年にかけて実施
地押調査の件2.18大蔵大臣訓令主秘第10号
絵図から信頼性のある図面への尽力「更正図」
1886
明治19年
4月16日、メートル条約加盟を公布。この日を
メートル記念日とする
  登記法制定 8.11法律第1号 戸長役場から、登記所に
移管
兵庫県明石市を通る
東経135度の子午線を
日本標準時に定める
1887
明治20年
    地図更正の件 6.20大蔵大臣内訓第3890号
1889
明治22年
    大日本帝国憲法発布2.11
土地台帳規則3.22勅令第39号
地券制度の廃止3.23法律第13号
 地租の徴収=土地台帳に登録した地価による
土地台帳様式調製方7.1大蔵省訓令第49号
 土地台帳の様式中最初のもの
1891
明治24年
度量衡法公布(法律第3号3月21日)
 メートル法に対応して尺貫法という言葉ができる。
尺貫法とメートル法の併用が決定
度量は尺、衡は貫
全国の単一基準の制定
 
1893
明治26年
1月1日、度量衡法の施行  
1896
明治29年
    民法公布4.27法律第89号
税務署誕生
土地台帳事務を税務署が
取り扱う
1898
明治31年
    民法施行7.16
1899
明治32年
    不動産登記法制定2.24法律第24号
1913
大正2年
    不動産登記法改正4.9法律第18号 
1921
大正10年
4月11日、メートル法に統一する改正度量衡法
公布(メートル法公布記念日)
度量はメートル、衡はキログラム  
1931
昭和6年
    地租法3.31法律第28号 課税標準が地価から賃貸価格にかわる。
1947
昭和22年
    土地台帳法3.31法律第30号(地租法廃止)
 地租が府県税になる。
 賃貸価格は従来どおり税務署が認定
家屋台帳法3.31法律第31号
日本国憲法施行5.3
1949
昭和24年
    法務局誕生
シャウプ勧告
測量法施行6.3・・・6月3日は測量の日です
1950
昭和25年
    土地台帳法等の一部を改正7.31日法律第227号
土地台帳、家屋台帳、公図を税務署から登記所に移管
地方税法改正・・・ 地租は市町村税(固定資産税)となる。
 課税標準は市町村が認定
1951
昭和26年
6月7日、度量衡法を廃止し
計量法(現在の旧法)を公布
この日を計量記念日とする
旧法公布
計量単位の拡大とメートル法
統一の推進
国土調査法施行6.1法律第180号
4月不動産登記法一部改正
登記簿が大福帳式からバインダ−式となる
1952
昭和27年
3月1日、計量法の施行    
1959
昭和34年
1月1日メートル法を全面採用、尺貫法を廃止 商取引が尺貫法からメートル法に
統一
 
1960
昭和35年
国際度量衡総会において
「国際単位系(SI)」が採択
  不動産登記法の一部改正3.31法律第14号
(土地台帳法、家屋台帳法の廃止)
不動産の表示に関する登記制度創設、
登記簿台帳一元化実施要領4.1民甲第685号民事局長通達
一元化完了と同時に台帳閉鎖
1966
昭和41年
計量法大幅改正、土地建物がメートル法に統一 4月1日からメートル法への
完全移行
 
1992
平成4年
5月20日、計量法全面改正公布(旧計量法廃止) 旧法廃止
新計量法公布
 
1993
平成5年
11月1日、新計量法施行。この日を計量記念日
に変更。
計量単位の国際単位系(SI単位)
への統一
公図の再定義 公図を地図に準ずる図面と位置づける。




◆尺貫法とメートル法の関係   長さ、距離
尺貫法
メートル法
計算式
1里(り)
36町

12,960尺
3.9272727 km
129600/33 m
1町(ちょう)
60間

360尺
109.0909 m
3600/33 m
1丈(じょう)
10尺
3.030303 m
100/33 m
1間(けん)
6尺
1.8181818 m
60/33 m
1尋(ひろ)
6尺
1.8181818 m
60/33 m
1尺(しゃく)
10寸
0.3030303 m
10/33 m
1寸(すん)
10分
3.030303 cm
10/330 m
1分(ぶ)
10厘
3.030303 mm
10/3300 m
1厘(りん)
10毛
0.3030303 mm
10/33000 m
1毛(もう)
 
0.03030303o
10/330000 m

















テキスト ボックス: 尋(ひろ)・・・両手を広げた幅に始まる長さの単位。    縄のようなものを「ひとひろげ」、「ふたひろげ」などと測ったことに由来する。    尋はもっぱら海で用いられていたので、明治5年(1872年)太政官布告で六尺と定め、陸上の間(けん)と合わせた。 







◆尺貫法とメートル法の関係   面 積

尺貫法
メートル法
計算式
1町(ちょう)

1町歩(ちょうぶ)
10段(反)=3000歩
   9917.35537 m2

 ≒1ha(10,000u)
1200000/121u
1段(反)(たん) 10畝=300歩
991.735537 m2

≒10a(1,000u)
120000/121u
1畝(せ) 30歩
99.1735537 m2

≒1a(100u)
12000/121u
1歩(ぶ)=1坪(つぼ) 10合=6尺平方=1間×1間
3.30578512 m2
400/121 m2
1合(ごう) 10勺
0.330578512 m2
40/121 m2
1勺(しゃく)  
0.0330578512 m2
4/121 m2









テキスト ボックス: 計量法施行法(昭和26年法律第208号)第4条3  歩又は坪は、平方メートルの121分の400の面積をいう。



テキスト ボックス: 尺貫法の単位から平方メートルへの登記簿の換算について土地又は建物に関する計量については、昭和41年3月31日までは尺貫法による計量単位を用いてさしつかえないことになっていたが、昭和41年4月1日以後は、すべて平方メートルによる計量単位を用いなければならなくなった。昭和41年3月1日民事甲第279号民事局長通達によれば、1万坪未満は換算表を作り平方メートルに換算するようにしたが、換算率は1万坪未満については、1坪を3.30578512平方メートルとし、1万坪以上については1坪を121分の400平方メートルとするものであった。


テキスト ボックス: ではどこから、121分の400という数字が出現したのか?

 













             ↓





◆畳のサイズ(尺貫法)から考える建物の測量

 日本の建築物の場合、尺貫法による畳の寸法(1間×半間)を基にした柱間寸法が
 「モジュール」として定着した。
名 称
俗 称
畳1畳のサイズ
    丈×巾 (2:1)
地 域
畳割りと柱割り
建物を測るときの考え方
関西間
本間間(ほんけんま)
京間(きょうま)
六三間(ろくさんま) 
6尺3寸×3尺1寸5分
(191cm)  (95.5cm)
京都を中心に関西方面
中国、四国、九州
畳割りである。
畳の大きさを6尺3寸の基準寸法
(一定)とする。
この畳のサイズが家造りの基本
なる。
従って、柱中心間の距離は、
畳の枚数と柱の幅から算出
される。
@8畳間とすると、畳二枚で6.3尺×2=
12.6尺
Aこれに3.5寸の柱を立てると12.6尺+
0.35尺=12.95尺
あるいは、4寸の柱を立てると12.6尺+
0.4尺=13尺
従って京間では間取りや柱の大きさに
よって柱と柱の間隔は変わる。
仮に、柱は4寸、二間で13尺とした場合 13尺は約3.939m、これを3.940mとして 1間を1.97m(6.5尺)で計算する。(京 間の標準寸法)
設計上のモジュールは0.985mとすること が多い。
六一間(ろくいちま) 6尺1寸×3尺5分
(185cm)  (92.5cm)
岡山、広島、山口など山陰地方
  1間=1.91m(6尺3寸)
三六間(さぶろくま)
中京間(ちゅうきょうま)
   6尺×3尺
(182cm)  (91cm)
名古屋、岐阜地方を主とし、
福島、山形、岩手や北陸地方の一部、
沖縄、奄美大島
  1間=1.88m
関東間
五八間(ごはちま)
江戸間(えどま)
田舎間(いなかま) 
5尺8寸×2尺9寸
(176cm)  (88cm)
関東、東北、北海道の東日本
現在ではほとんど全国的に散在
(明治以降の住宅建設ラッシュを迎え
るたびに基準寸法の標準化や規格化が進み、
柱割りの江戸間モジュールが全国
的に広まった。)
柱割りである。
柱の芯から芯までの一定の間 隔(1間の長さ)を基準寸法とす る。
建物を短期間のうちに量産化する 必要が高まり、柱寸法を規格化し て工期の短縮を図った。
建物が標準化され、まず家を造 り、その後柱から柱の寸法(1間) に合わせて畳を作り後から畳を入 れる方法。
京間に対して関東間というのは、間取りや 柱にかかわらず柱の芯と芯の距離を、3 尺(0.909m)の倍数にとる。
1間を1.82m(6尺)とする。
基本モジュールは0.910mとする。
団地間(だんちま)
五六間(ごろくま)
5尺6寸前後×2尺8寸前後
(170cm前後) (85cm前後)
全国的
近年新築された家屋に多く、特に団地に多い
ことからこのように呼ばれる。
(建築寸法の規格化と標準化が進み量産
しやすいように部材・部品の
規格化が全面的に進んだため)
   









◇私は、古い建物(木造家屋)の調査、登記申請を次のように考える。

条件  唯一、市町村の固定資産評価証明書にそれらしき建物の記載がある。
     (面積が54.55uと記載) 一応所有権証明書1点になりそう。

調査
     1.所有者(あるいはその相続人等)から、建築年月日の聞き取りをする。【昭和41年の
      メートル法完全移行の前か後か(尺貫法の表示から換算したものかどうか)】
     2.建築後の増築、取り壊し等の有無の聞き取りをする。
     3.実際にその建物をテープで測る。その場で縦横の辺長を合計してみる。合計が合わ
      ない場合には何ヶ所か測りなおす。
      古い建物は、古い方法(尺貫法)でも測っておく。
     4.古い木造家屋の場合、柱間を測ることは容易にできる。(柱が見えている。1間は大
      体両手を横に広げた時の端から端までである。)

面積の確認
尺貫法で測った場合
メートル法で測った場合









柱間を測ってみると
1間=1.97mであった。









実際の登記申請
 ・この評価証明書が所有権証明書となる根拠 
 1.所有者は昭和35年頃建築したと言う。評価証明書記載の面積は、16.5坪÷0.3025=
  54.545・・・uとする換算値と推測される。
  (可能であれば市町村固定資産税課で確認すればよい。)
 2.新築後に増築等は一切行われていない。
 3.評価証明書記載の面積は54.55平方メートルであるが、実際は64.03平方メートルである。
  するとその差は9.48平方メートルであるが、この建物は6尺5寸が1間であった。
  これを、6尺を1間とする換算方法で換算したため、換算値にくらべて実際の建物の面積が
  約17.36%増加することになるのである。

  故に、この評価証明書を所有権証明書とし、現地調査書には算出基準の相違と記載して
  おけばよいと考える。





端尺の処理
原寸
2寸以下
3寸〜5寸
6寸〜8寸
9寸〜1尺1寸
1尺2寸〜1尺4寸
1尺5寸〜1尺7寸
1尺8寸〜2尺
2尺1寸〜2尺3寸
2尺4寸〜2尺6寸
2尺7寸〜2尺9寸
3尺〜3尺2寸
3尺3寸〜3尺5寸
3尺6寸〜3尺8寸
3尺9寸〜4尺1寸
4尺2寸〜4尺4寸
4尺5寸〜4尺7寸
4尺8寸〜5尺
5尺1寸〜5尺3寸
5尺4寸〜5尺6寸
5尺7寸〜5尺9寸
6尺
記帳
0
3寸
6寸
9寸
1尺2寸
1尺5寸
1尺8寸
2尺1寸
2尺4寸
2尺7寸
3尺
3尺3寸
3尺6寸
3尺9寸
4尺2寸
4尺5寸
4尺8寸
5尺1寸
5尺4寸
5尺7寸
 
間数換算
0
5勺
1合
1合5勺
2合
2合5勺
3合
3合5勺
4合
4合5勺
5合
5合5勺
6合
6合5勺
7合
7合5勺
8合
8合5勺
9合
9合5勺
 
 
 
0.05間
0.1間
0.15間
0.2間
0.25間
0.3間
0.35間
0.4間
0.45間
0.5間
0.55間
0.6間
0.65間
0.7間
0.75間
0.8間
0.85間
0.9間
0.95間
1間





◆一寸いっぷく
雲形吹き出し: 深夜のことを「草木も眠るうしみつどき」などというが、これは丑の刻の三つを指し、いまでいう午前2時になる。



テキスト ボックス: 読み方     方 角子=し    ね    北丑=ちゅう  うし寅=いん   とら卯=ぼう   う    東辰=しん   たつ巳=し    み午=ご    うま   南未=み    ひつじ申=しん   さる酉=ゆう   とり   西戌=じゅつ  いぬ亥=がい   ゐ九つ(ここのつ)八つ(やつ)七つ(ななつ)六つ(むつ)五つ(いつ)四つ(よつ)                  
                            ↓
 テキスト ボックス: 地球は1日かけて1回自転をする。つまり1時間で15度回転する。(360°÷24時間)日本の標準時は東経135度が基準であるから、協定世界時と9時間の差がある。(9時間進んでいる。)






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