国土調査とは

(愛媛県農林水産部管理局農政課パンフレット『愛媛県の国土調査』から抜粋) 

 国土調査とは

   国土調査は,国土調査法(昭和26年法律第180号),国土調査促進特別措置法(昭和37年法律第143号)等
  に基づき実施されており,国土の実態を科学的かつ総合的に調査することにより,国土をより高度にかつ合理的
  に利用するための基礎資料を整備するとともに,あわせて地籍の明確化を図ることを目的としています。


  国土調査の体系 国土調査は土地分類調査,水調査,地籍調査の三種に大別されます。 

   地籍調査とは

 地籍調査とは,国土調査法に基づき,土地の基本単位となる一筆一筆の土地について,その実態を明らかにするため,所有者,地目,地番,境界を調査するとともに,境界の測量及び面積の測定を行い,その結果を地図(地籍図)及び簿冊(地籍簿)に取りまとめる作業をいいます。

 地籍図は,国土地理院が設置した基準点(基本三角点)をもとに,近代的測量技術を駆使して,土地の筆界点(杭)を一筆一筆精密に測量し,その結果を1/2501/5,000の地図に作図したものです。地籍図では,一筆ごとの筆界を地球上の緯度・経度に関連付けて公共座標値として管理するため,仮に現地における土地の境界が災害等で不明になっても,その境界を現地に復元することができます

   したがって,その成果は,明治期に作成された字限図と比較して,精密でより科学的であると言えます。

   もう一つの成果である地籍簿は,一筆ごとの土地の所在,地番,地目,地積及び所有者の住所,氏名等を
  記載したものです。その様式は,不動産登記法による土地登記簿の表題部と同じ内容になっており,調査確
  認の結果に基づいて記載されます。

   このようにして作成された地籍図と地籍簿は,住民に閲覧され,都道府県知事又は担当大臣の認証を受け
  た後,都道府県,市町の内部行政資料となるとともに,その写しが登記所に送付されて土地登記簿が書き改
  められ地籍図は登記所に備え付けられます。

 地籍調査の作業工程 

〔基準点測量〕

   日本全国に設けられた一等から三等までの基本三角点を基準として,地籍調査のために国(国土地理院)に
  よって新しく四等三角点が設けられます。この四等三角点を設ける測量を基準点測量といいます。


                       〔基準点測量〕

   基準点測量によって設けられた三角点を基にして,地上測量又は空中写真測量により,土地の境界を一筆
  ごとに精密に測量します。特に,都市部などより精密な地図が要請される地域については,トランシット
   光波測距儀等を用いて数値測量を行い,それぞれの筆界点の位置を公共座標値で把握します(地上数値法)。
  また,最近では人工衛星を使ったGPS測量も導入されています。(地籍測量)

   これらの測量結果を基に土地の境界の位置を表す地図(地籍図)を作成し,地籍図又は座標値を基にそれぞれ
  の土地の面積を測定します。(地積測定)

                           〔一筆地調査〕

   一筆ごとの土地について,所在,地番,地目と所有者を調査確認するとともに,その土地の境界を所有者立会
  いのうえで確認し,それぞれの境界に杭を打ちます。(一筆地調査)なお,この杭は,数筆に一本の割合でコンク
  リート杭とか金属鋲など永続性のあるものを設置することにしており,これを登記のうえで土地を特定するための
  重要な抗(筆界基準杭)として活用することとしています。

   また,―筆地調査の結果と面積測定の結果を簿冊(地籍簿)に取りまとめます。これは,登記所にある土地
  登記簿の表題部と同じ内容のものです。

                             〔閲  覧

   地籍調査の成果となる地籍図と地籍簿は,20日間一般の閲覧に供し,誤りなどの申し出があれば再調査して
  より正確なものとします。(閲覧)

   閲覧後の地籍図と地籍簿は,都道府県知事又は担当大臣により調査精度等の確認(認証)を受けたのち
  その写しが登記所に送付されるとともに,市町村に保管されて行政の各方面で利活用されます。

 愛媛県の国土調査 

地籍調査
   愛媛県における地籍調査事業は,昭和28年に松山市(旧余土村),新居浜市(旧角野町),西予市(旧城川町)
  が着手し,平成2241日現在,県下全市町(20市町)で着手しています。その内訳は,全域完了が9市町
  休止が1町,継続実施が10市町となっております。

   調査実績は,全県面積5,678から調査除外面積(国有林等)391を差し引いた要調査面積5,287に対し
  て平成2241日現在4,059
76.8%の進捗率となっています。



地籍調査事業市町別事業量実績表
                                   (平成224月1日現在)

着手年度

完了年度

市町名

全体面積   

   

計画面積

  

調査済面積

   

進捗率

  %

 

(S28)

H15

H9

 

松 山 市

429.03

422.61

151.28

35.8

実施中

(S29)

H22

H8

 

今 治 市

419.85

410.16

339.02

82.7

S29

 

宇和島市

469.53

412.95

268.59

65.0

S48

 

ハ幡浜市

132.98

132.98

115.80

87.1

(S28)

H9

(S29)

 

新居浜市

234.30

232.61

27.96

12.0

(S37)

H17

(H14)

 

西 条 市

509.06

439.63

302.45

68.8

S41

 

大 洲 市

432.20

428.27

323.11

75.4

S55

 

四国中央市

420.25

396.89

168.49

42.5

S57

 

東 温 市

211.45

199.06

166.54

83.7

H5

 

松 前 町

20.32

20.32

10.52

51.8

(S39)

(S55)

(上島町)

30.41

30.41

27.05

89.0

休止中

S50

H12

伊 予 市

194.47

191.96

190.07

100

完 了

S28

S62

西 予 市

514.79

503.95

503.95

100

S43

H2

久万高原町

583.66

497.66

497.60

100

S47

S60

砥 部 町

101.57

99.84

99.84

100

S45

H14

内 子 町

299.50

253.96

252.76

100

S47

S59

伊 方 町

94.38

94.32

94.32

100

S40

S53

松 野 町

98.50

81.26

81.26

100

S38

S63

鬼 北 町

241.87

225.54

225.54

100

S38

S59

愛 南 町

239.61

212.87

212.87

100

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合   計

5,677.73

5,287.25

4,059.02

76.8

 

   ( )旧市町村実施期間


第1章地籍図14条第1項地図の作られ方
     
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