平成20年1月6日街区基準点研修裏事情
●はじめに 平成20年4月1日から街区基準点を使用することが義務付けされるにもかかわらず、街区基 準点設置地区の会員さんは、今までどおり業務に変化がないように捕らえられているようだ。 確かに日常業務に基準点業務の作業工程を取り入れられている会員さんについては何等 変化のあることではない。 しかし、一筆地を任意座標で処理をされている会員にとっては自分の測量の正確性(精度)を 保証する必要がある。 また、与点を使用して結合トラバース測量等を実施していても、いきなりTSで測定された水平 距離を利用するのでは無く、斜距離、鉛直角、TSの高さ、目標の高さを観測して各種の補正を することが必要となる。 与点の成果を使用して新点を設置し、異なる与点に取り付け、自身が実施した測量について 正確性の根拠とその課程を明らかにする必要があり、それが義務付けられるということである。 ●ぶつくさ まずは、観測である。 観測が出来ることが、基本である。 高性能になった器械に頼るあまり、自分が正確な観測が出来ているかどうか確認していない。 それは確認することが出来ない、自己流の測量で業務を行なっていることによることが原因 かもしれない。 調査士には調査士の測量があると開き直っても、自分自身が勝手に解釈した一人だけのも のなのだから、調査士一般に共通したものではなく、通用しない。 登記に不動産登記法があるように、測量にも基準になるものがあるのだから、それに準じて 測量をすることであり、基準点の観測方法に慣れれば良いだけである。 ●研修場所 まずは街区基準点の設置された場所で、実際の業務同様の研修を行い、観測が出来るかど うかの確認を行う必要がある。 その為には観測場所を決めなければならない。 街区基準点が設置されている場所を探すと、調査士会大洲支部管轄では大洲市と八幡浜 市に設置してあり、いずれも今年4月から街区基準点の情報が法務局に備え付けられ、街区 基準点を使用した測量が要求されるとのことである。 いろいろと交渉し、法務局の理解も得られたことから、街区基準点が設置されている八幡浜 支局周辺で実施することとした。 街区基準点の状況を国土地理院のホームページで検索すると支局周辺に街区三角点や街 区多角点が設置されている。 八幡浜支局は、主要県道378号線と国道197号線の交差する一番交通量の多い交差点から 30メートルほどの場所に位置している。 本来、測量研修を行なうということからは、交通量の多さもあり遠慮したい場所であるが 業務としての街区基準点測量を体験するには、最も相応しい場所といえる。 ●成果閲覧 法務局には、まだ街区基準点の成果が備え付けられていないということから、市内に事務所 を構えている誠二さんに、市役所で街区基準点成果の閲覧をお願いした。 街区基準点の成果の閲覧は無料だが、コピーは不可との事。 座標値と標高、ジオイド高を筆記して、市役所の担当者は読み合わせには協力してくれたと のこと、行政のサービスって良いのか悪いのか、さっぱり解らない。 翌日、私の事務所に手書きの成果を届けていただいた。 ●網図 別ルートで網図のコピーを入手することが出来た。 網図には、ホームページに記載されていない節点がある。 幸い、誠二さんは市役所で網図を見ながら、街区基準点の成果を写されており、節点も閲覧 されていた。 ●研修計画 研修計画を立てる必要があるのだが、現地での状況を把握しないと、計画を立てることは出 来ない。 補助者と二人で支局周辺の街区基準点を探しに行くと、街区三角点1007A、1006Aや街区多 角点10A14、10A16、10A20、10A22、10A24、10A27は平坦な真鍮鋲なのだが、節点の場所に はアルミ製の座を使用して鋲が打ち込んであり、支局の横の交差点の場所に節点1A031があ った。 支局から、わずか30メートルほどの位置にある節点1A031を利用しない手はない。 節点1A031と街区三角点1007A、街区多角点10A27と節点1A031、街区三角点1007A、街区 多角点10A14と10A22同士、街区多角点10A20と10A22同士は視通が効く。 街区多角点10A20は駅前のロータリーの角に設置されており、八幡浜駅に出入りする車がひ っきりなしに通る。 10A14は裏通りにあり、民家の前であるが交通量は少ない。 そこで、街区多角点10A22から10A20ではなく、10A14に取り付けることとした。 節点1A031からは、街区三角点1007Aの視通が効き、距離も110メートルほどである。 研修でもあり、街区三角点を使用したほうが良いだろうと判断して、節点1A031からは、街区 三角点1007Aに取り付けるこことした。 同様に街区多角点10A27からは街区三角点1007A に取り付けるこことした。 ●新点の選点 以上のようにして、与点3点、取り付け点2点を使用した新点5点のA型路線を計画したのだが 実際に新点をどの位置にするか詳しく現地で選点する必要がある。 年末に誠二さんと二人で選点を行なう。 4級基準点相当ということになり、50メートル間隔での選点を行なうが、該当しそうないずれの 場所にも、「準拠点」と表示された鋲が既に設置してある。 「これは、どの調査士さんが設置されたんですか。」 「私です。」と誠二さん。 さすがに、真面目に業務をされている。 自分が測量をした街区の外側には必ず、準拠点を設置されているようだ。 「申し訳ないんですが、研修ですから少し場所を移動して、あまり危なくない場所に選点をしま すね。」 新点の場所には「登記基準点」の座と鋲を設置することとした。 こうして新点5点の選点も出来た。 ● 難しいんじゃない 迷惑おっさんに、上図のような研修計画としたことを話す。 「A型の路線で研修するようにしたよ。」 「単路線でもいいんじゃない。現地は交通量の多い場所だろう。観測が難しいから、A型は やめといたほうがいいんじゃない。」 と心配してくれる。更に、 「もっと、やさしい場所で研修したら。」 と言ってくれたのだが 「いや、観測が出来ないということが解ったほうが良いと思うから。」 「難しいと思うけどなぁ。」 「ショック療法よ。交差点の中の節点1A031からの観測は、こちらが先にやっておいて、参 加者にはその手簿を渡すようにして、観測が駄目だと思ったら単路線に切り替えるから。」 「う〜んっ。」 「研修当日に計算までは無理だと思うし、観測だけにして、計算は後日ということにするの よ。誠二さんとも話していたんだけど、下手すると一日掛りになりそうだから。」 「う〜んっ。頑張って。」迷惑おっさん渋々納得する。 交通量の多い交差点内にある節点1A031地点 交差点内のL型側溝に設置された節点1A031 節点1A031から110メートルほど離れた街区三角点1007A方向を見る 街区三角点1007Aはオレンジ色の乗用車の後ろ側の電柱横にある 橋の歩道部分のコンクリート土台に設置された街区多角点10A27 街区多角点1A027 ●1月3日 研修の為に、交通量の多い交差点にある節点1A031で観測する必要がある。 前もって、観測しておく必要のあることから、誠二さんとも相談して幕の内ならば、大型トラッ ク等の営業車の交通は無いはずであるからと1月3日の観測となった。 交通量の少ない午前8時に集合し、研修では手簿づけを行う予定だが、本日はすばやい観 測が要求されるのでデータコレクターを使用することにして観測となったのだが、ここでちょっと 欲を出してしまった。 後日の研修に備えて支局の中にも基準点研修の出来る場所として2次路線を考えており、そ の観測を先にしてしまった。 観測を私が、データコレクターを誠二さんが受け持つことに、そして通行人がミラーを引っ掛 けないようにと正月で帰省中の誠二さんの息子さんがミラーの横についてくれた。 2次路線の観測点6点の観測を倍角差20秒、観測差10秒程度を制限として観測を行い、最大 倍角差10秒、観測差5秒程度で順調に進んだ。 しかし、本来の研修の路線4−3の位置での観測になったのは、既に10時30分を過ぎていた。 後視点は節点1A031で4−2、4−4そして2次路線4−20の4方向の観測である。 本日の箱根駅伝は我慢したのだが、お正月にテレビを見すぎてどうにも調子が良くない、更に 太陽の光がミラーの真後ろから向かってくる、なんとも見えにくい。 路線バスが横を通る度にドーンという鈍い音がする。 振動が伝わってくるような、こないような。 道路の下に水路があるような場所でもない、八幡浜は海の埋め立てをして広がった街なので 地盤が弱いのかもしれない。 節点1A031までの視通を歩行者が邪魔する。 おばちゃんとお孫さんが連れ添って買い物にゆっくり歩いてくる。 度々視通が遮られるが、10分程度で観測が終了した。 誠二さんから「倍角差15秒、観測差18秒」と告げられる。 「調子悪いなぁ。まぁ、いいです。」 観測も少し嫌になってきており、ざっとした性格が顔を出す。 ●節点1A031 交差点内にある節点1A031に器械を据え付けたのは11時を過ぎていた。 1月3日の交通量は少ないはずなのだが、ここは「過疎市」、本日が成人式だったのだ。 交差点の中は、たちまち車で埋まり、交差点で曲がる車が、交差点内にいる私を引っ掛けそ うになる。 それでも平気な顔をして観測を続行。 交差点越しに視準している街区三角点1007Aとの間に頻繁に車が入り込み、交差点が赤にな れば車停止してミラーを隠すことになる。 調子よく観測を続けても、1007Aの順番になるとタイミング悪く信号は赤になる。 ここでも大型車が横を通る度にドーンという鈍い音がする。 4−5に据えたプリズムの高さを10センチとしたのだが、歩道のアスファルト舗装の盛り上がり があり、プリズムの下の方の1/3が見えず、ぎりぎりの視通である。 もう5センチほど高くすれば良かったのだか、交差点の中からTSをそのままにして、直すわけ にもいかず、声を掛けても声は聞き取れない状態である。 観測者には正確ですばやい観測が要求されている。 交通量の多い場所で、明らかに交通の邪魔になっており長時間観測することは出来ない場 所である。 研修当日のデータができない。 観測に間違いがあってはならない。 プレッシャーが私にも誠二さんにも重くのしかかる。 手簿者の誠二さんにとっても初めて使う種類のデータコレクター、お互いの息がなかなか合 わない。 観測制限を外れ、90度輪郭の再測量をすることになるが、データコレクターの操作法も異な ることになり誤操作となる。 またまた慌てて再測量。 最初の観測を始めて18分後、やっと観測が終了。 「倍角差3秒、観測差18秒」と誠二さんから告げられる。 かなり、危ない数値である。 本来なら迷わず再測量なのだが、ざっとした性格で 「こんな場所だから、これで勘弁してもらいましょう。」 朝からの疲労も加わり、 「何とかなるさ。」 いい加減な性格に退化してしまった。 節点1A031での観測手簿 ●街区多角点10A27 観測は4−5へと進む。 4−5は歩道に設置された新点で、観測方向は3方向の後視点は節点1A031で、4−4、街区 多角点10A27の観測である。 いつの間にか歩行者が多くなっている。 視通が歩行者によって度々分断される。 しかし、ここは歩道である。 「ちょっとどいて。」とは言えない。 中断時間が多かったが、なんとか終了。 コンクリート橋の歩道部分との接続のコンクリート土台に設置された街区多角点10A27へと 進む。 観測は後視点4−5で前視方向は方向角の取り付けのため街区三角点1007Aを観測する 2方向の観測である。 この場所と街区三角点1007Aの関係は、鍋の土手のような位置であり、節点1A031のある交 差点が鍋の底のようになっているので、車に邪魔されることなく視通が効く。 陽炎の影響も多少あるが、観測は順調に進む。 いろいろあったのだが、図に記載した与点3点、新点5点の研修用の路線の外に、後日のた めの2次路線の観測、新点4点の観測を含め13時30分に終了した。 ●計 算 事務所に戻り、計算をしようとするが、箱根駅伝がまだテレビ観戦の出来る時間帯。 スポーツ好きなので、ついつい自宅に戻りテレビ観戦をしてしまう。 一度自宅に戻ると事務所になんか行きたくない。 翌日、改めて計算。 1号路線を1A031から4−3,4−2,4−1,10A22を結ぶ路線。 2号路線を1A031から4−5 ,10A27を結ぶ路線。 3号路線を10A27から4−5,4−4, 4−3, 4−2, 4−1,10A22を結ぶ路線とした。 まずは、高さの閉合差、1号路線2o、2号路線2o、3号路線0o。 距離補正後の水平位置の閉合差は 1号路線の距離合計210m921に対し26oの閉合比1/8112。 2号路線の距離合計125m690に対し19oの閉合比1/6615。 3号路線の距離合計335m445に対し14oの閉合比1/23960である。 「おかしい。何かが違っている。」何か、感じる。 手簿と計算書をチェックしても間違いはない。 そのまま厳密水平網の計算をすると標準偏差10秒28。 厳密高低網の標準偏差3秒23である。 許容誤差の範囲であり、成果としては問題がないのだが、何かおかしい。 本日、家族旅行中の迷惑おっさんに電話。 「今度の街区基準点研修現場の計算しているんだけど、ちょっとおかしいのよ。」 「どんな風に。」 「高さは1o程度でドンピシャ。水平は1号路線の距離合計210m921に対し26o。2号路線の 距離合計125m690に対し19o。3号路線の距離合計335m445に対し14oなんよ。」 即座に 「それ、老眼おっさんの観測が違ってると思う。街区基準点がそんなに悪い訳が無い。」 「そうよなぁ。」 「再測したら。」 「再測かなぁ。」 「明日、そっちに行くから、ちょっと見てみようワイ。」 「頼まい。」 ●1月5日・迷惑おっさん登場 翌日、迷惑おっさんから電話が入る。 いつもの勉強会会場「愛媛県歴史文化博物館」に家族を連れてくるので、今から私の事務所 に寄るとのこと。 計算簿を見せると「そんな精度じゃないよ。観測手簿みせて。」 観測手簿を見るなり 「観測差が反対に出ている。観測差がプラスならプラスに出ていなければならないのに、プラ スとマイナスに出てしまっているだろう。」 更に 「観測時間かかりすぎ。」 次々に指摘。 「これ、取り付けなしで計算してみて。」 取り付けなしで計算すると、1号、2号、3号路線とも10mm程度の閉合差で各路線の閉合比 も2万分の1以上。 厳密水平網の標準偏差も3秒程度になる。 「これが本来の精度やね。基準点に間違いは無いようやね。それと3号路線は10A22から始ま って4−1、4-2、4−3、4−4、4−5、10A27の長い路線にして計算しているけれど、短い路線の 確認をするほうが大事なので、1A031、4−3,4−4,4−5、1A031の閉合の路線にして計算し たほうがいいよ。」 とどめに。 「出発点の取り付け角度が相違すると一番影響するから、20秒程度でも、この程度の差が出 るかもしれないよ。1A031は再測。4−3も観測差の符号が反対になっていて較差が大きいか ら再測じゃね。」 かくして、秘密会議の結果、4−3と節点1A031の再測量が決定した。 ●1月6日研修当日 1月6日研修当日の朝7時すぎ、八幡浜支局の駐車場には、既に測量屋さんの車が停まって いる。 事前に現地を下見してくれているようである。 再測量の為に器械を車から降ろし、準備をしていると測量屋さんが戻ってきた。 「再測せんといかんのよ。」 「どの場所ですか。」 「節点1A031と4−3の2つよ。」 「私がやりましょうわい。」 私の観測では危ないと察知した測量屋さん、即座に申し出てくれた。 そのうち、補助者の井上くんがやってきてくれた。 二人で、4−3から観測を始め、節点1A031での観測を行う。 ●再測 測量屋さんと、井上君の二人で研修開始前に節点1A031の再測量を行ってくれた。 ぼちぼち研修参加者が集まってくるので、それに対応しながら、横目で測量屋さんの観測風 景を覗いていると、いつもなら観測が終了して移動する時間になっても、移動していない。 観測するにはプレッシャーのかかる場所であり、朝一番の観測とあり測量屋さんも調子が出 ないようである。 測量屋さんの観測手簿 ●研修開始 朝8時10分、予定より少し遅れて研修は開始された。 参加者は15名。 5名ずつABCの3班に別れA班は4−1から、B班は4−3から、C班は4−5から観測を開始した。 観測にあたっては節点1A031については観測しない。他の観測点についての観測については 倍角差10秒、観測差5秒の制限を目指すこととした。 参加者が持参した器械は、自動視準の機械が多数を占めている。 最初の観測が終わり、次の場所に移動しているA班の手簿を確認すると、観測差、倍角差 高度定数の較差を計算していない。 「チェックしてから次の場所に移動しないと駄目ですよ。チェックしてないと制限からはずれて いたら、事務所に帰ってもう一度観測場所にこなければなりませんよ。」と注意。 どうやら、やるべきことが解っていないようだ。 その場でチェックをすると観測差、倍角差について、やや観測制限を越えている。 「厳しいですけど、再測しますか。最初だから」 自分の観測を棚に上げて、再測の指示を出す。 基準点測量研修に積極的に参加しているB班も、橋の土台に設置してある10A27で0度輪郭 の観測中に、あまりにもおかしな観測値となったので再測量をしたらしい。 これが半対回の観測であったら、異常な観測値であることにも気づかない。 いくら器械の精度が良くなったといっても、観測は現場で行われていることを忘れてはならな い。 午後1時、A班が観測を終了する。 午後1時30分には最後のC班も観測を終了する。 観測終了とともに昼食をとり、手簿の整理を行なう。 しかし、手簿の整理をしたことが無い、整理をした手簿の見本を示していても、どのように整 理してよいのか解らないようだ。 質問もない。 「鉛直角の計算と水平角の中数の計算もしてください。」 やっと気づき、電卓を叩きだす。 「計算結果についても、もう一人がチェックしてください。」 午後3時、全員が整理を終了し、本日の研修は終了した。 ●反省 1月8日、別件で迷惑おっさんと測量屋さんに会う。 「実は、測量屋さんに再測量してもらった分で再計算をしたけれど、結果は同じだったんだ。」 「おかしいな。網図見た。」 「網図、見たよ。」 「網図をみて、観測に使用していない点には取り付けては駄目よ。」 「節点の1A031と街区三角点の1007Aは網図では観測していないけれど、視通が効く一番近 い場所だし、相手が三角点だから取り付けたかったんだけれど。」 「いや、網図を見ないと駄目よ。観測していない点を取り付け点にしたら駄目よ。実際に観測 した点にしないと。」 「じゃあ、精度の良いところは、いいけれど節点の1A031と街区三角点の1007Aの間は悪くな るからどうすれば良いの。」 「それは、間に新点を設置して誤差を分散さすのよ。」 「なるほど。」 ●思うこと 本会は、街区基準点、補助点のチェックを行った。 そして、実際にチェックをした会員さんから 「街区基準点・補助点の中には、精度の悪いものがある。」という報告もあるようだ。 だが、本当に街区基準点・補助点の中に精度が良くないものがあったのだろうか。 測量の専門家が、自分の会社の名誉にかけて設置した基準点なのである。 我々が、その精度について意見を言うならば、まず自分の観測に間違いのないことの確認を してから、指摘しなければならない。 調査士が自分の測量図の記載事項について、不備や誤りを高飛車に指摘された時の事を考 えれば良い。 納得のいく指摘であれば素直に耳を傾けなければならないが、指摘された事が指摘した人間 の技術や知識の無さ(間違い)から出たものであるとしたら、専門家である我々はどう思うのだろ うか。 「基準点」でも同様である。我々の専門性が、本来の専門家から確認されているということを知 っておかなければならない。 |