基準点研修 補習編 U

   前回の補習では、下図の住宅地図の3-108と1-93を結ぶ、結合トラバース測量を
 行いました。


  観測には、水平角の2対回観測、鉛直角は1対回観測、そして距離は斜距離の2セット
 観測でした。

 結合トラバース測量を行うにあたっては、各種の補正を行い計算しました。

 適正な精度ということも説明しました。

 これは、当然遊歩道の付近を測るためです。





  それでは、既知点の4-6に近い場所、住宅地図で表示しているA4A2の周辺を測ると
 したらどのような路線になるのでしょうか。


  前回1号路線を観測していますので、その路線にくっつける形のこのような路線にな
 るのではないでしょうか。

  A4付近を測る場合、1号路線のA2から観測しても大丈夫というかもしれませんが
 少し無理があります。

  そこで新点
A4を作って観測することになります。



 これも1号路線と同様に各種の補正をして、結合トラバース計算を行いますが
 1号路線で既知点とした
4-61-93そして1号路線で観測・計算したA2A3を既知
 点として計算することになりますので、1号路線の2次路線ということになります。

  A2A3の標高は概算標高を使用しての計算になります。









  このようにして、新点A4を計算することが出来ましたが、A4は既に観測し計算された
 1号路線の
A1A2A3に対しては次数が落ちることになり、信頼性は少し下がること
 になります。


  それでは、今度は、4-6A4A2A31-93にいたる路線を2号路線として別個に
 計算してみましょう。




  前回の路線を1号路線、これを2号路線と表示します。

  1号路線と同様に、各種の補正を行って、結合トラバース計算を行ってみます。









  この結合トラバース計算も十分な精度があり、単独で使用することが出来ます。

  しかし、1号路線、2号路線で共通しているA2A3の位置は全く同じ位置なのです
 がその計算された座標値は相違します。


  A4についても2号路線で計算されたものと、2次路線で計算されたものについて
 観測は全く同じなのに計算された値は相違しています。


1号路線で計算した 2号路線で計算した 2次路線で計算した
点名 X座標 Y座標 点名 X座標 Y座標 点名 X座標 Y座標
A1 40683.208 92241.117 A1
A2 40660.244 92218.131 A2 40660.243 92218.129
A3 40632.079 92187.204 A3 40632.079 92187.203
A4 A4 40682.226 92197.376 A4 40682.226 92197.379

  1,2o程度のことじゃないか、その程度は問題ないよと考えられるかもしれませんが
 この事例の場合は既知点の精度が良いために、ほとんど相違がありませんが、少し
 既知点の精度が悪いと相違する量もセンチ単位になってきます。

 
  今まで各種の補正を行い、信頼性を高めてきました、観測も少し追加してやれば
 全部の観測が出来てしまうのに、どうにかならないものなのでしょうか。


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